2020年03月23日

Ron Carter (B)

来月 新潟公演が予定されている 「ロン・カーター」 With 新潟市出身の三味線奏者 「史佳」

前売りは、上々と聞く。
自身、初めて聴いたアルバムは マイルス・デイビスの黄金クインテット 「 Four & More 」
リーダーサイドマンのアルバムでは、CMでその名を不動にした 「 The Man With The Bass 」
ベースラインに味わいはあるが、独特の浮遊感は、受け取り難さもあった。

ジャズを 「見る」 と 「聴く」 とでは、感想も異なる。
自分は見たいのか、それとも聴きたいのか、判断はここであってさ。
僕は聴きたい気持ちが動いて、初めて見たいと思うので 「見た」 に過ぎない満足はないんだ。

ハッキリさせてしまおう。
好きなベースではない。
これぞ 「相性」 というものだ。

これまで、抜群なピッチを誇る 「ニールス・ペデルセン」
変幻自在で図太い 「デイブ・ホウランド」 超技巧で柔軟な 「ジョン・パティトゥッチ」
常に安定したビートを送り込むことに加え、アタックの強い骨太なベースが好みなんだ。

ロン・カーターは、リーダーアルバムより、サイドメンとして 「類稀なる対応力」 に本筋があると思う。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/369280245.html ( On Bass )
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2020年03月10日

Jazz Talk Vol.102

3月6日 ジャズピアニスト 「マッコイ・タイナー」 81歳で死去。

コルトレーンのスピリットを受け継ぎ、パーカッシブなハードタッチで、他の追従を許さなかった男。
ピアノは弦楽器でありながら、打楽器であることを教えてくれた存在。
ひときわ体が熱くなりそうな、強烈なリズム感の名手。
流行に迎合しない、一貫性のある硬派なピアニスト。
コルトレーン時代をも凌ぐ、充実の極みと思えた、70年代 「 Enlightement 」 数々。

これで 「黄金カルテット」 全てのメンバーが他界した。  Forever !

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2020年02月23日

Nobuyuki Tsujii  (P)

「清流のような透明感に琴線が触れた」

最高の弾き手は 「盲目のピアニスト」 だという。
ジャズなら 「エロル・ガーナー」 「ジョージ・シュアリング」 などが思い浮かぶ。
クラシックなら 「神の耳」 をもって生まれてきたのが 「辻井伸行」 だろう。
ハンデが、バネになったからだ。

22日 午後2時開演 「新潟 りゅーとぴあホール」 は満員札止め。
ひとりの音色を聴きに、これだけのオーディエンスが集まったのだ。
僕もこの日のため、2週間前から、彼が弾く 「巨匠の名曲」 を耳に湿らせておいた。
ショパン 「英雄ポロネーズ」 ベートーベン 「テンペスト」 など、なじみある曲。

クラシックをすました顔で聴けるほど、上品な耳を持ち合わせていない。
だが、きれいは目に映るものだが、美しいは心に響くもの。
その心を響かせたのは 「雑念のない魂」 なんだろうね。

沸き起こる、カーテンコールは全3回。
最後のアンコールは、完成度極める ショパン 「革命」。
4回目のコールは、お茶目にも自ら鍵盤のフタを閉じて、会場の笑いと拍手で終了を告げる。
鳴りやまぬ拍手の中、ステージ中央で歩行援護を受けて、正面左の舞台袖まで13歩で姿を消した。

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2020年02月20日

Jazz Talk Vol.101

「 Jazz Talk 」 も 「 100 」 で終わらせることなく、続いて 「 101 」 となる。

今回は 「ラウンジ演奏」 について、私見を語る。
ネガティブなアプローチになるが、日本人は生演奏を前にすると 「通ぶる」 傾向がある。
それは、真剣に聴いているメッセージでもあるので、決して悪いことではないが、やや一面すぎる。

海外においてのジャズは 「リラクゼーション」 の音楽である。
一部のクラブでも、生演奏を聴くスペースとバーが仕切られており、その時の気分で居場所を選べる。
バーにいても、ワンステージ聴きたいと思えば、ミュージックチャージを払い、自由に行き来できる。
スペースに限りはあるけど、一つの間口の中で選択の自由がある。
演奏者もたまり場が欲しいだろうが、専門談議の光景が一般のお客さんにどう映るかはわからないし、その分、客の出入りが頻繁になる保証もない。

「 YouTube 」 で、その場面に近い映像を添付した。
パブ風の店で、ピアニストが名曲 「 sunny 」 をソロ演奏してるが、周囲を囲む客の様子にも注目。
原曲のサビの部分 「 I Love You 」 と合唱しながら 「 You 」 を、恋人の名前に入れ替えたり、カップルで和やかに食事をしたり、カウンターでハグしたり、再会をよろこびあっていたりと自由だ。
生演奏をバックに、ガヤガヤした雰囲気を楽しんでおり、演奏者も空気を楽しんでいる。
これがポピュラーな楽しみ方で、真剣に聴く会場はそれとして、何より音楽の TPO がわかっている。

そこが日本とは違い、音楽を娯楽にしているため、斜にかまえて聴いていない。
だから、楽器やレコード、アンプやスピーカーうんぬん、上手い下手、どうでもいいことは口にしない。
大衆的に楽しめて、演奏者に敬意を示しつつ、自由で都会的な雰囲気がイカすんだ。

日本人だから、変えようないと思うが、僕はこういう 「ラウンジの雰囲気」 も好きだな。

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2020年02月16日

Jazz Talk Vol.100

ジャズの雑文も延べ 「 242 」 本目となった。

そのうち、ノー・タイトルでつづっている 「 Jazz Talk 」 は、今回で 「 100 」 本目。
区切りのいいところで、僕の考える 「 Jazz Bar 」 の在り方を語りたい。

当店はジャズを聴きながら、リラックスして雑談できる 「緩いジャズバー」 をコンセプトにしている。
ジャズの知識よりも、センスを重んじるため、くどくて博識ぶる、暗いウンチクはいらない。
あくまでも、会話の妨げにならないボリュームで 「疲れを癒す空間」 に仕上げている。

ジャズ喫茶は音響、ジャズクラブは生演奏、ジャズバーはBGM、テイストはそれぞれの趣向。
ジャズは好きだが、強いこだわりはないし、自慢げに論ずる、身のほど知らずではない。
「たかがジャズ」 と思っているし、狭苦しい考えで、閉鎖的な空間にはしたくないんだ。

「なぜジャズか」 それが 「されどジャズ」 で、長年聴いてきた名刺代わりで 「大人の音楽」 である。
早い話、ジャズ好きなマスターが看板を灯す 「気軽なショットバー」 と思ってもらえばいい。
こんなに 「敷居の低いジャズバー」 もないだろうし、むしろ、歩むべき方向だと思っている。

ジャズを普及する使命感はないが、社会貢献の観点でいえば、文化は広く浅く次世代へ継承するもの。
それが、興味をつなぐことと考えてるので、雑談を後押しするように、その場面にジャズをのせている。

文章にするとむずかしそうだが、整理すればわかりやすく、考え方は 「シンプル」 なんだ。

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2020年02月09日

Jazz Talk Vol.99

2月は、客足が鈍る。
待つのも仕事とはいえ、そう長いと好きなアルバムを聴き直すことで、気持ちをまぎらわすこと暫し。

ピアノなら、内省的に心休まる 「エバンス系」 片や ハードにアタックする 「マッコイ系」 もいい。
サックスなら、歌心あふれる 「ロリンズ系」 片や ストイックにブローする 「コルトレーン系」 もいい。

一概に 「これしか聴かない」 ではなく、その日の気分に合った一枚というものがある。
思い出にかられる一枚もあれば、時を忘れさせてくれる一枚もある。
ジャズは夜のムードを象徴するので、夜な夜な己を深めていくように、静かな熱をおびていく音楽。

どっぷりとつかると不粋だし、まるで反応しないのも野暮。
静かに聴く分には、感情をおさえて、いかに美しさを奏でられるか。
そんな、リリカルでイマジネーションの高い演奏を好む。

「福居 良」 のアルバム 「 Scenery 」 (76) という曲が好きだ。
弾き崩していないところが聴きやすく、左手のコードの押さえ方に、シンプルな情感がある。
決して、腕の立つピアニストではないが、心惹かれるのは 「表現」 (センス) なんだよな。

甘美丸出しではなく、極めて告白的なタッチ (音の間) が光る。

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2020年01月26日

Tsuyoshi Yamamoto  (P)

現在、新潟県出身で、有名なジャズプレイヤーは、フリューゲルホーン奏者 「 TOKU 」 であろう。
ドラマーは充実しており 「鶴谷智生」 「高橋 徹」 「小松伸之」 など、東京での活躍が思い浮かぶ。

そこで、パイオニア的な存在はと聞かれれば、ジャズピアニスト 「山本 剛」 さんをあげる。
89年 作家 「村上 龍」 がMCを務めた、日曜の人気番組 「 Ryu's Bar  気ままにいい夜 」 のテーマソング 「クレオパトラの夢」 を弾いていた人で、あらかた思い浮かぶのでは。

現在の佐渡市で生まれ、今の東区で過ごし、明訓高校を卒業後、単身で東京へ移住。
今も都内を中心に精力的に活動する、御年70歳。
そのタイプ 「玄人ウケする」 ベテランである。

74年 初リーダーアルバム 「ミッドナイト・シュガー」 から 「モントルージャズフェスティバル」 出演。
途中、フュージョンスタイルも経由し、六本木 「ミスティ」 のレギュラーピアニストでもあった。
洗練されたセンスは、新宿ではなく、銀座、六本木が似合うタイプ。
そんな、山本剛さんのピアノは、優雅な大人の時間を伝えてくれた。

こんな記憶がある。
小学5年生の朝、長い髪を後ろに束ねたおじさんが、家で寝息を立てていた。
父に 「あの人、だれ」 と聞くと、新潟ツアーの合間で、家へ泊りに来ていたのが本人だった。
東京と新潟間は 「特急とき」 で、片道4時間を要すため、頻繁には顔を合わせられなかった。
本人の実家は新潟にあれ、夜の仕事なので、その流れで泊まり、父も弟分のように可愛がってた様子。
他にも、東京から旧知のプレイヤーが新潟入りすると、古町で再会しては、そんなノリで家に来ていた。
朝起きると、隣に知らない顔のおっさんが寝ているんだから、そりゃ、子どもは驚くわな (笑)

当時、山本剛さんのアルバムを聴くと、自分も大人になった気分となるが、聴き終るとそれは錯覚であることを思い知らされた、まさに 「クレオパトラの夢」 もどき。
キャリアからして、新潟市出身、ジャズピアノの第一人者 (パイオニア) は 「山本 剛」 さんである。

PS
本人 「エロル・ガーナー」 の影響を受けたというが、アルバムによっては 「ラムゼイ・ルイス」 ばりのファンキーなプレイも随所に魅せた。
81年 アルバム 「 MA  MEMOIRE 」 より、ゴキゲンなナンバー 「 I'm Fine Thank You  」

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2020年01月19日

Jazz Talk Vol.98

寝覚めのもたつきが、今回の 「新潟ジャズストリート」 の足を阻んだ。

過去、だれかと一緒に会場をめぐったことはなく、行くときはいつも自転車でひとり。
会場にパッと現れて、サッと消えるのは、仕事を控えているため、浅い時間のセットに限られる。

大方の人は、ジャズを娯楽にしており、求道的な人は一握りに過ぎない。
僕は前者だから、むだに入れ込みすぎないし、歯止めなく論じることもない。

力んで聴いていた年齢は過ぎたし、聴く側がリラックスしていれば、雰囲気は演奏者に跳ね返るもの。
ライブにはライブの楽しみ方があり、普通にジャズを聴く分に過不足もない。

個人的には、ウイスキーを口にして、会話をさえぎらないジャズの音色に酔いしれる方が心地よい。
このあたり、ジャズの知識よりも、バーカウンターで 「ジャズのセンス」 を重んじたいところ。

「テクニックをひけらかさず、だれが聴いてもカンタンと思わせるのが、プロとしての華」 Kenny Drew

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2020年01月18日

Jazz Talk Vol.97

俺も、しつこいよな (笑)
四夜連続で、ジャズを書く。

東京で、こんなエピソードを知る。
来日公演のため、世界的に一流のジャズメンが、公演前日に宿泊ホテルのラウンジで食事をしていた。
雰囲気上、生演奏であるが、会話の妨げにならないような、スローテンポの美しい曲を響かせているも、大方の客はカクテルジャズとして、BGM風に聴き流しているだけである。

ハコバン (専属バンド) の仕事は、目立ってはいけないが、聞き惚れる雰囲気を醸しだすのも役目。
しかし、夜が更けるにつれ、客の喧騒に演奏がかき消され、最早その意味すら疑いたくなることもある。
そんなとき、席で食事中のジャズメンが演奏の合間で、手もとのナイフとフォークを皿に八の字に置き、演奏者に向かって軽い拍手をおくっていたという。

その話を聞き、一流と呼ばれる人は余裕があり、その道を究めた人ほど一流の称号を得ると思えた。
僕自身、そのエピソードを聞いたからではないが、ラウンジの演奏などは意識している。
切りがいいときには、一旦手を休めて、演奏者に軽い拍手で敬意をおくるのが礼儀。
ワインがどうだ、マリアージュはああだより、こういうことも大事だ。

往々にホテルでは、いい演奏をしても拍手がない代わりに、悪い演奏をしてもとがめられない。
だれも聴いてない演奏は楽は楽だが、張り合いのない苦しみもあるだろう。
それは、仕事の性質だから仕方ないけど、真の実力は違うところにある。
だから、彼らは息抜きの場として、単独ライブなどで力を発散させる。

ジャズもいろんなジャズがあり、ただ好きなことをやっているだけではない。
一流のジャズメンは、彼らのジレンマや大変さを理解してるから、寛容で寛大な態度をとれる。
下積みの経験が糧となり、他の演奏者、お客さんに対しても、余裕で接することができるんだ。
一流になるというのは、そういうことだろう。

その一流ジャズメンは、だれかって ?
僕の好きなドラマー 「 ジャック・ディジョネット 」 ( Jack DeJohnette ) だよ !

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2020年01月17日

Jazz Talk Vol.96

三夜連続で、ジャズを書く。

こういうのは、思い立ったときに、書いたほうがいい。
それに、ツィッターやインスタが主流の今どき、文章形式のブログを読む人は少ないし、ジャズのような狭い分野であればなおさらだ。

じゃあ、どうして書くのか。
「ジャズが好き」 だから、それぞれの表現がある。
「ジャズはこうあらねば」 の考えはないし、モダンにバップ、フュージョンにコンテンポラリーだろうが、ジャズはジャズで、ただでさえ狭い考え方なのに、これ以上、世界を狭くしてどうするんだってこと。

昔ながらの、4ビートだけを枠にとらえず、あらゆるリズムにも抵抗なく、乗れることが醍醐味。
大局的に聴いて、初めて 「このスタイルが好きだ」 になるわけで 「ジャズ以外の音も知らなければ、ジャズはできない」 名言を残したのは 「愛のコリーダ」 で有名な 「クインシー・ジョーンズ」 だ。

この頃、引っぱり出して聴いているのが、キース・ジャレット・トリオ 「チェンジレス」
その一方、マーカス・ミラー 「ライブ・アンド・モア」 フュージョンでも、イカすものがある。

どちらも全くタイプが異なるが、その時の気分に乗じて、気持ちよく聴いている。
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2020年01月16日

Jazz Talk Vol.95

好きな日本人サックス奏者の筆頭は渡辺貞夫さん。

他にも名前を上げられるが、91年解散、辛島文雄クインテットで有名な 「藤陵雅裕」 もそのひとりだ。
彼はカルテット クインテット ビッグバンド各方面のコンボから、ファーストコールが入る、歌心に満ちたシャープなプレイヤー。

若き頃から、切れ味ある、アグレッシブなブローは、今も僕の耳に残っている。
最近は耳にしてないが、片鱗は失せることないし、そのハツラツさは所属する 「熱帯ジャズ楽団」 の1Stサックスで、スペースを広く有している。

楽団以外に、自己のグループを持っているし、どんなコンボでも参加できる柔軟なプレイヤーでもある。
やはり 「ソロの花形」 といえば、高音域で軽快な 「アルトサックス」 じゃないかな。
時に、ソプラノサックスに持ち替えると 「デイヴ・リーヴマン」 を思い起こす音色に迫力がある。

魅力あるプロって、吹くのではなく、歌っているんだよな。

PS 前回同様、耳は肥えていくから、最初のうちは 「聴きやすい曲」 から入ったほうがいい。

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2020年01月15日

Niigata Jazz Street

今週18日 年2回の 「新潟ジャズストリート」 (ウインター) が開催される。

この時期になると 「どの会場がいいのか」 お客さんに聞かれることもある。
そういわれても、イベントにたずさわってないし、大して聴きにも行ってないので、特定できない。
それに、ジャズはいろんなスタイルがあるため、入り口がありすぎて定めにくい。
それでもいいのなら、初めての 「ライヴのコツ」 を書いてみたい。

日常でジャズを耳にしながら、いざ聴きに行こうとすると、どの会場へ行くか迷うだろう。
その前に、自分なりの 「カルテ」 (問診票) がないと、入り口は迷宮入りのまま。
中華料理店に入って、メニュー名も告げずに 「中華をください」 というようなもの。
好きな楽器は何か、インストかボーカルか、アコースティックかエレクトリックか、人には好みがある。

そこで、ジャズの初心者にお勧めするのが、広い会場での 「ビッグバンド」 系のステージ。
曲のリズムやメロディーに乗れるまで、少し時間は要するも、好きな楽器をピックアップできる。
仮にアルトサックスの音を気に入れば、それこそがその人に 「いちばん近い音」 であろう。
お気に入りの楽器を突破口に、次第に 「スイング」 する感じがわかってきたら、次の段階へ。

徐々に演奏人数を、5人 (クインテット) 4人 (カルテット) 3人 (トリオ) という具合に楽器を絞り、小編成の演奏に耳を向けると 「楽器の特性」 がわかりやすくなる。
最初は、広い会場のほうが聴きやすい分、ハードルは低いかと思える。
広い分、無用な緊張を感じにくいし、厄介な 「音楽狂」 (理論バカ) にからまれることもない。

広い会場の雰囲気に慣れたら、今度はライブハウスのような会場で、至近距離で聴けばいい。
そのとき、好きな楽器や楽曲しかり、プレイヤーと顔なじみになっておくと見識は広がるもの。
初対面は緊張するが、聴衆あっての演奏者なので、偏屈な人物でない限り、友好的に接してくれるし、何よりも 「福袋を買うような気持ち」 で聴きに行けばいいと思う。

個人的な入れ込みはおいて、一般的に 「迷える初心者の道しるべ」 になればと思い書いた。
そもそも、ジャズを聴くのに勉強なんていらないし、したらしたで逆に的はずれな会話をしてしまうもの。
音楽は理論や符号、頭で聴くのではなく、それこそ聴く本人の感性 (カルテ) だからね。

PS 最初、音で楽器を聴き分けるのは難しいので 「ルパン三世」 の音楽動画で試したらどうかな。

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2019年12月29日

SADAO 2019 LIVE

今年 最も観に行きたかった 「渡辺貞夫」 のライブ音源が今月リリースされ、今聴きこんでいる。

本作、8月 「ブルーノート東京」 でのライブ録音。
CDジャケットからして、若手プレイヤーには求めるべくもない、貫禄と風格がただよっている。

ピアノ 「ラッセル・フェランテ」
ベース 「ジョン・パティトゥッチ」
ドラム 「スティーブ・ガッド」 の豪華メンバー。
長年、信頼のおけるメンバーだからこそ、良い音楽が生まれることを実感した。

絶妙なリズムにフィルインを添える、フェランテ。
伸びのいいビートでリードする、ジョン。
ブラシを用いた、軽快なリズムを刻む、ガッド。
極めて、日本的なアルトの美しさが光る、サダオさん。

とりわけよかったのは、神経の行き届いた、ガッドのブラシワーク。
トレードマークである、黒いスティックに本領あるも、こだわらないのが、ファーストコールドラマー。
音楽的レンジの広さは随一である。

渡辺貞夫さんは、日本が世界に誇るサックス奏者 「 Mr. Made In JAPAN 」
僕の鑑賞記でいえば、ステージで演奏をしていないときの立ち振る舞いも、渋くてイカすんだ。
次なる日本人の担い手は 「ナベサダ」 になることではなく、その人にしかないオリジナルを求む。

ジャズを愛するゆえに 「憎まれ口」 を叩いておく。
「 この魅力、ガキにわかってたまるか 」  ( 最低10年、聴いて語りやがれ! )

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2019年12月16日

Melodies

「山下達郎」 好きでもないが、その素晴らしさはわかっている。

名曲 「クリスマス・イブ」 が収録されている、83年のアルバム 「メロディーズ」
37年の年月が過ぎても、まったく色あせることのない名盤中の名盤だ。

全体を通じて、高度な演奏に支えられ、メロディーやリズムがシンプルで、文学的な歌詞が特徴的。
それは懐古的ではなく、仮想世界に引きこまれるような、ファンタスティックな風景が見えてくる。
アルバム前半は夏を歌い、後半は秋から冬の移ろいを歌い、お待ちかね 「クリスマス・イブ」 へ。
移り行く季節の中で、人間の温かさが描かれており、一冊の不思議な絵本のようである。
僕は、あまり歌モノは聴かなかったけど、このアルバムの出来映えは特筆できる。

中でも 「メリーゴーランド」 の歌詞は、今でも口ずさめるほど印象的。
「真夜中の遊園地に君と二人、そっと忍びこんで入った」
「さびついた金網を乗り越え、かけだすといつも月が昇ってきた」 の歌詞。
「亜麻色の月明かりの下で、僕たちは笑いながら愛し合った」
「色あせた水玉のベンチは、滅びゆく時の匂いがしみついていた」 更なる歌詞。

自分の中に残る、少年の心がよみがえり 「幻想空間」 にいるような錯覚をおぼえる。
まるで 「村上春樹」 ばりの、いざないのある 「タツロウ・ワールド」 が広がる。
軽やかにして繊細、こんな美しいアルバムを作れる、彼のチケットが入手しにくいのは納得だ。

一週間後、どこもかしこも 「クリスマス・イブ」 流れる夜に、少し切ない回想を。

 
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2019年12月12日

ROPPONGI PIT-INN

東京在住時、一番好きなライブハウスだったのが、アコースティックジャズの聖地 「新宿ピットイン」
まだ、新宿伊勢丹の裏路地の地下にある頃で、今以上にアングラな雰囲気がただよっていた。

同時に 「六本木ピットイン」 という系列店もあった。

新宿が4ビートなら、六本木は8ビートが主流で、時のフュージョンブームに乗り、ロックやブルースなどジャズに限定しないライブを展開し、多くの若者たちを集客した、エレクトリックジャズの聖地。
77年に開店、04年に閉店したが、70年代 「山下達郎」 「高中正義」 「坂本龍一」 「カシオペア」 と偉大なミュージシャンを生みだした。

僕は 「新宿派」 だったが、それでも 「六本木カラー」 をたまに聴きに出かけていた。
その頃には、列記した名前は出演してなかったが、その後の手練を多く輩出した登竜門。
新宿は硬派な男性客が占めるが、六本木は若い女性客の黄色い声援が飛ぶようなステージ。
新宿とは似ても似つかない、東京タワーを背景にした、都会の雰囲気があってね。

80年代後半、グループによっては、とりあえずメロディーはあるも、ソロ回しばかりという感じで、元なるスタイルはジャズだが、リズムやアレンジは16ビート、似たような曲でテクニックのコンテストのようで、フュージョンが変節してきたような時代。
後に 「イカすバンド天国」 とか、流行としてのバンドブームがおきて 「玉石混交」 時代だった。

当時、気さくに会話できた、ジャズピアノの貴公子と呼ばれた 「益田幹夫」 さん。
ブームに試行錯誤し、早い段階で本来のジャズに、カムバックしたひとりだった。
その頃には、本格的にジャズを聴くようになっていたし、それこそ良質なフュージョンだけが残った。
若い耳に 「フュージョン」 は楽しかったけど、並走した先 「ジャズにおちついた」 んだ。

演奏がうまいことは大切だけど、技術を見せるだけでなく 「情緒を伝えること」 の重要性もあるよね。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/427079730.html ( SHINJUKU PIT-INN  )

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2019年12月11日

Jazz Talk Vol.94

10日 19時に看板を灯し、フッと思い出した 「上原ひろみ」 ソロピアノ日本ツアー新潟公演。

同時刻 イントロダクション。
黒白88の鍵盤から奏でられる 「スペクトラム」 (色彩) が頭の中をよぎる。

彼女は自身のプレイを 「アートであり、エンターテインメントでありたい」 と語る。
天才少女が 「血のにじむような努力」 を続けた先で、ダントツの能力を兼ね備えた。

体で88鍵の位置を覚えこみ、すべての音階を瞬時に指が押し当てる神業。
華麗に鍵盤上を駆け抜ける、指使いを目の当たりにして、帰路についた人はうらやましい限りである。

僕は、来年2月22日 「辻井伸行」 ソロピアノ日本ツアー新潟公演のチケットを手に入れた。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/470463164.html ( Spectrum ) 
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2019年12月05日

Jazz Talk Vol.93

ジャズを細く長く聴き続けて40年。

その時おり、好きなアルバムやプレイヤーも変わり、耳の変化を実感しながらも、オーディオのようなハード面には行かず、気楽に聴くソフト面を楽しんできた。
時代を象徴する光景のひとつだった、目を閉じて耳を凝らし、小難しい顔でジャズを聴いたこともない。

ジャズバーの店主を自認しても、不要な使命感はないし、人に好みを押しつける気もない。
「ジャズが好き」 こそ、僕の名刺代わりで、よほどジャズの許容量が豊富でない限り、ジャズの話だけで小一時間はもたないだろうし、そもそもの答えはそれであってさ。

ジャズ本来は難しいが、難しさに時間を費やさず、楽しさに舵を切ることが、耳を鍛える早道。
現代ジャズの入口は多様化し、PCだろうが、CDに有線であろうが、音源を身近に流しているだけでも、自然とジャズの感覚が身につくもので、通勤のクルマの中で聴き流している人は意外に多いようだ。

だから、気軽に聴く魅力を伝えられればと、ジャズのページ (カテゴリー) に、駄文をつづっている。
不真面目かもしれないが 「たかがジャズ」 の中にこそが、次世代のあるべき道がある。
そして 「されどジャズ」 が、醍醐味であり、少数派になりたければ、表現者になればいい。

当店 雑談や日常会話が主旋律であり、行間を埋めるべくシーンを作るため、ジャズをのせている。

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2019年11月27日

Jazz Talk Vol.92

来月10日、ジャズピアニスト 「上原ひろみ」 ソロコンサートが新潟で開催される。

複数のお客さんに誘いを受けたが、さすがに12月は店をほったらかしてまで聴きには行けない。

公演とは、お客さんのためにある。
鑑賞後、他者と意見を交わしたり、感想を語ったりすることが、エンターテインメントの醍醐味。
料理と同じで、熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちにが原則。

だから、すぐに感想を語る。
その意味で、一人よりも二人、複数の語彙によって、一定レベルにまで理解がおよぶようになる。
想像力が欠落してるのに、好きだのキライだの、根拠のない戯言は決して口にすべきではない。

音楽的な感性を磨くことは、対話を通じたアウトプット。

迂回することなかれ。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/470463164.html ( Spectrum )
http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/444412586.html ( SPARK )
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2019年11月02日

Karel Boehlee (P)

「カレル・ボエリー・トリオ」 のアルバム 「 Last Tango in Pari 」 を手にした。

ご存知 「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」 初代ピアニストである。
リーダーアルバムは他にもあるが、インプロヴィゼーションは、幻想的なフレグランスをイメージさせる。

この手のアルバムは一歩間違えると、ただ甘いだけの 「ナルシズムな仕上がり」 も予想される。
そこをベースとドラムがピアノを盛り立てながら、リリカルで澄んだ旋律を太い骨格でメリハリをつけて、静寂な情感を醸し出している印象。
こよなく繊細でありながら、美意識丸出しにならないのは 「サイドメンの力量」 にもよると思われる。

「ピアノトリオは、最小限のオーケストラ」 ともいわれる。
どの編成より、トリオは自由空間が広いため、スキルとインスピレーションによる適応力を要する。
その分、ごまかしはきかないので力量不足だと、アルバムでもライブであれ、物足りなさを感じる。
それほど、トリオは組みやすい反面、求められる期待も高い分 「リスキーな編成」 ともいえるんだ。

最初は 「軟派なピアノ」 と否定されるも、聞き込めば判断を訂正しなきゃいけなくなるだろう。

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2019年10月19日

Jazz Talk Vol.91

今年9月に渋谷で開催された 「東京ジャズ 2019」

その模様が3週にわたって、BSで放映されている。
僕の目玉は 「チック・コリア・アコースティック・トリオ」 (バンド)
オンエアでは、観客と一体になった名曲 「スペイン」 が、ピックアップされていた。

過去、多くの魅力を書いたが、サウンド・クリエーターしかり 「トリオ」 でのチックが好きだ。
トリオの有名作は、ドラムがロイ・ヘインズの 「 Now He Sings Now He Sobs 」 (68) だろうが、僕のチャンネルはやや違う。

89年に結成した、ドラムがデイヴ・ウェックルのアコースティック・トリオに惹かれる。
とりわけ、ベースのジョン・パトツィッチの速いパッセージが魅力的だ。
その後、ドラムのスティーブ・ガッドと共演した 「 Super Trio 」 (05) も格別である。

チックからは、野生的な表現は伝わらぬも、フィーリングは極めてスタイリッシュなんだ。
どんなスタイルにも応じられる 「鍵盤の賢者」 という印象もあり、ステージでは温もりに満ちた人柄を感じさせ、ほがらかさが日本人からも愛されている。

13年9月 「新潟公演」 のステージでも耳にした、名曲 「スペイン」 は、6年の時を経ても、親近感を実感させた演奏で、メンバー3人とも 「カッコよく年齢を重ねているのよ」 これが。
チック・コリア 78歳  ジョン・パトツィッチ 60歳  デイブ・ウェックル 59歳  こりゃ、まいりました。  

ホンモノには時間がかかっていて、その表現が痩せてないのが証拠だよ。

 
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