2020年01月19日

Jazz Talk Vol.98

寝覚めのもたつきが、今回の 「新潟ジャズストリート」 の足を阻んだ。

過去、だれかと一緒に会場をめぐったことはなく、行くときはいつも自転車でひとり。
会場にパッと現れて、サッと消えるのは、仕事を控えているため、浅い時間のセットに限られる。

大方の人は、ジャズを娯楽にしており、求道的な人は一握りに過ぎない。
僕は前者だから、むだに入れ込みすぎないし、歯止めなく興じることもない。

力んで聴いていた年齢は過ぎたし、聴く側がリラックスしていれば、雰囲気は演奏者に跳ね返るもの。
ライブにはライブの楽しみ方があり、普通にジャズを聴く分に過不足もない。

個人的には、ウイスキーを口にして、会話をさえぎらないジャズの音色に酔いしれる方が心地よい。
このあたり、ジャズの知識よりも、バーカウンターで 「ジャズのセンス」 を重んじたいところ。

「テクニックをひけらかさず、だれが聴いてもカンタンと思わせるのが、プロとしての華」 Kenny Drew

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2020年01月18日

Jazz Talk Vol.97

俺も、しつこいよな (笑)
四夜連続で、ジャズを書く。

東京で、こんなエピソードを知る。
来日公演のため、世界的に一流のジャズメンが、公演前日に宿泊ホテルのラウンジで食事をしていた。
雰囲気上、生演奏であるが、会話の妨げにならないような、スローテンポの美しい曲を響かせているも、大方の客はカクテルジャズとして、BGM風に聴き流しているだけである。

ハコバン (専属バンド) の仕事は、目立ってはいけないが、聞き惚れる雰囲気を醸しだすのも役目。
しかし、夜が更けるにつれ、客の喧騒に演奏がかき消され、最早その意味すら疑いたくなることもある。
そんなとき、席で食事中のジャズメンが演奏の合間で、手もとのナイフとフォークを皿に八の字に置き、演奏者に向かって軽い拍手をおくっていたという。

その話を聞き、一流と呼ばれる人は余裕があり、その道を究めた人ほど一流の称号を得ると思えた。
僕自身、そのエピソードを聞いたからではないが、ラウンジの演奏などは意識している。
切りがいいときには、一旦手を休めて、演奏者に軽い拍手で敬意をおくるのが礼儀。
ワインがどうだ、マリアージュはああだより、こういうことも大事だ。

往々にホテルでは、いい演奏をしても拍手がない代わりに、悪い演奏をしてもとがめられない。
だれも聴いてない演奏は楽は楽だが、張り合いのない苦しみもあるだろう。
それは、仕事の性質だから仕方ないけど、真の実力は違うところにある。
だから、彼らは息抜きの場として、単独ライブなどで力を発散させる。

ジャズもいろんなジャズがあり、ただ好きなことをやっているだけではない。
一流のジャズメンは、彼らのジレンマや大変さを理解してるから、寛容で寛大な態度をとれる。
下積みの経験が糧となり、他の演奏者、お客さんに対しても、余裕で接することができるんだ。
一流になるというのは、そういうことだろう。

その一流ジャズメンは、だれかって ?
僕の好きなドラマー 「 ジャック・ディジョネット 」 ( Jack DeJohnette ) だよ !

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2020年01月17日

Jazz Talk Vol.96

三夜連続で、ジャズを書く。

こういうのは、思い立ったときに、書いたほうがいい。
それに、ツィッターやインスタが主流の今どき、文章形式のブログを読む人は少ないし、ジャズのような狭い分野であればなおさらだ。

じゃあ、どうして書くのか。
「ジャズが好き」 だから、それぞれの表現がある。
「ジャズはこうあらねば」 の考えはないし、モダンにバップ、フュージョンにコンテンポラリーだろうが、ジャズはジャズで、ただでさえ狭い考え方なのに、これ以上、世界を狭くしてどうするんだってこと。

昔ながらの、4ビートだけを枠にとらえず、あらゆるリズムにも抵抗なく、乗れることが醍醐味。
大局的に聴いて、初めて 「このスタイルが好きだ」 になるわけで 「ジャズ以外の音も知らなければ、ジャズはできない」 名言を残したのは 「愛のコリーダ」 で有名な 「クインシー・ジョーンズ」 だ。

この頃、引っぱり出して聴いているのが、キース・ジャレット・トリオ 「チェンジレス」
その一方、マーカス・ミラー 「ライブ・アンド・モア」 フュージョンでも、イカすものがある。

どちらも全くタイプが異なるが、その時の気分に乗じて、気持ちよく聴いている。
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2020年01月16日

Jazz Talk Vol.95

好きな日本人サックス奏者の筆頭は渡辺貞夫さん。

他にも名前を上げられるが、91年解散、辛島文雄クインテットで有名な 「藤陵雅裕」 もそのひとりだ。
彼はカルテット クインテット ビッグバンド各方面のコンボから、ファーストコールが入る、歌心に満ちたシャープなプレイヤー。

若き頃から、切れ味ある、アグレッシブなブローは、今も僕の耳に残っている。
最近は耳にしてないが、片鱗は失せることないし、そのハツラツさは所属する 「熱帯ジャズ楽団」 の1Stサックスで、スペースを広く有している。

楽団以外に、自己のグループを持っているし、どんなコンボでも参加できる柔軟なプレイヤーでもある。
やはり 「ソロの花形」 といえば、高音域で軽快な 「アルトサックス」 じゃないかな。
時に、ソプラノサックスに持ち替えると 「デイヴ・リーヴマン」 を思い起こす音色に迫力がある。

魅力あるプロって、吹くのではなく、歌っているんだよな。

PS 前回同様、耳は肥えていくから、最初のうちは 「わかりやすい曲」 から入ったほうがいい。

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2020年01月15日

Niigata Jazz Street

今週18日 年2回の 「新潟ジャズストリート」 (ウインター) が開催される。

この時期になると 「どの会場がいいのか」 お客さんに聞かれることもある。
そういわれても、イベントにたずさわってないし、大して聴きにも行ってないので、特定できない。
それに、ジャズはいろんなスタイルがあるため、入り口がありすぎて定めにくい。
それでもいいのなら、初めての 「ライヴのコツ」 を書いてみたい。

日常でジャズを耳にしながら、いざ聴きに行こうとすると、どの会場へ行くか迷うだろう。
その前に、自分なりの 「カルテ」 (問診票) がないと、入り口は迷宮入りのまま。
中華料理店に入って、メニュー名も告げずに 「中華をください」 というようなもの。
好きな楽器は何か、インストかボーカルか、アコースティックかエレクトリックか、人には好みがある。

そこで、ジャズの初心者にお勧めするのが、広い会場での 「ビッグバンド」 系のステージ。
曲のリズムやメロディーに乗れるまで、少し時間は要するも、好きな楽器をピックアップできる。
仮にアルトサックスの音を気に入れば、それこそがその人に 「いちばん近い音」 であろう。
お気に入りの楽器を突破口に、次第に 「スイング」 する感じがわかってきたら、次の段階へ。

徐々に演奏人数を、5人 (クインテット) 4人 (カルテット) 3人 (トリオ) という具合に楽器を絞り、小編成の演奏に耳を向けると 「楽器の特性」 がわかりやすくなる。
最初は、広い会場のほうが聴きやすい分、ハードルは低いかと思える。
広い分、無用な緊張を感じにくいし、厄介な 「音楽狂」 (理論バカ) にからまれることもない。

広い会場の雰囲気に慣れたら、今度はライブハウスのような会場で、至近距離で聴けばいい。
そのとき、好きな楽器や楽曲しかり、プレイヤーと顔なじみになっておくと見識は広がるもの。
初対面は緊張するが、聴衆あっての演奏者なので、偏屈な人物でない限り、友好的に接してくれるし、何よりも 「福袋を買うような気持ち」 で聴きに行けばいいと思う。

個人的な入れ込みはおいて、一般的に 「迷える初心者の道しるべ」 になればと思い書いた。
そもそも、ジャズを聴くのに勉強なんていらないし、したらしたで逆に的はずれな会話をしてしまうもの。
音楽は理論や符号、頭で聴くのではなく、それこそ聴く本人の感性 (カルテ) だからね。

PS 最初、音で楽器を聴き分けるのは難しいので 「ルパン三世」 の音楽動画で試したらどうかな。

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2019年12月29日

SADAO 2019 LIVE

今年 最も観に行きたかった 「渡辺貞夫」 のライブ音源が今月リリースされ、今聴きこんでいる。

本作、8月 「ブルーノート東京」 でのライブ録音。
CDジャケットからして、若手プレイヤーには求めるべくもない、貫禄と風格がただよっている。

ピアノ 「ラッセル・フェランテ」
ベース 「ジョン・パティトゥッチ」
ドラム 「スティーブ・ガッド」 の豪華メンバー。
長年、信頼のおけるメンバーだからこそ、良い音楽が生まれることを実感した。

絶妙なリズムにフィルインを添える、フェランテ。
伸びのいいビートでリードする、ジョン。
ブラシを用いた、軽快なリズムを刻む、ガッド。
極めて、日本的なアルトの美しさが光る、サダオさん。

とりわけよかったのは、神経の行き届いた、ガッドのブラシワーク。
トレードマークである、黒いスティックに本領あるも、こだわらないのが、ファーストコールドラマー。
音楽的レンジの広さは随一である。

渡辺貞夫さんは、日本が世界に誇るサックス奏者 「 Mr. Made In JAPAN 」
僕の鑑賞記でいえば、ステージで演奏をしていないときの立ち振る舞いも、渋くてイカすんだ。
次なる日本人の担い手は 「ナベサダ」 になることではなく、その人にしかないオリジナルを求む。

ジャズを愛するゆえに 「憎まれ口」 を叩いておく。
「 この魅力、ガキにわかってたまるか 」 

( 最低10年、聴いて語りやがれ! )

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2019年12月16日

Melodies

「山下達郎」 好きでもないが、その素晴らしさはわかっている。

名曲 「クリスマス・イブ」 が収録されている、83年のアルバム 「メロディーズ」
37年の年月が過ぎても、まったく色あせることのない名盤中の名盤だ。

全体を通じて、高度な演奏に支えられ、メロディーやリズムがシンプルで、文学的な歌詞が特徴的。
それは懐古的ではなく、仮想世界に引きこまれるような、ファンタスティックな風景が見えてくる。
アルバム前半は夏を歌い、後半は秋から冬の移ろいを歌い、お待ちかね 「クリスマス・イブ」 へ。
移り行く季節の中で、人間の温かさが描かれており、一冊の不思議な絵本のようである。
僕は、あまり歌モノは聴かなかったけど、このアルバムの出来映えは特筆できる。

中でも 「メリーゴーランド」 の歌詞は、今でも口ずさめるほど印象的。
「真夜中の遊園地に君と二人、そっと忍びこんで入った」
「さびついた金網を乗り越え、かけだすといつも月が昇ってきた」 の歌詞。
「亜麻色の月明かりの下で、僕たちは笑いながら愛し合った」
「色あせた水玉のベンチは、滅びゆく時の匂いがしみついていた」 更なる歌詞。

自分の中に残る、少年の心がよみがえり 「幻想空間」 にいるような錯覚をおぼえる。
まるで 「村上春樹」 ばりの、いざないのある 「タツロウ・ワールド」 が広がる。
軽やかにして繊細、こんな美しいアルバムを作れる、彼のチケットが入手しにくいのは納得だ。

一週間後、どこもかしこも 「クリスマス・イブ」 流れる夜に、少し切ない回想を。

 
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2019年12月12日

ROPPONGI PIT-INN

東京在住時、一番好きなライブハウスだったのが、アコースティックジャズの聖地 「新宿ピットイン」
まだ、新宿伊勢丹の裏路地の地下にある頃で、今以上にアングラな雰囲気がただよっていた。

同時に 「六本木ピットイン」 という系列店もあった。

新宿が4ビートなら、六本木は8ビートが主流で、時のフュージョンブームに乗り、ロックやブルースなどジャズに限定しないライブを展開し、多くの若者たちを集客した、エレクトリックジャズの聖地。
77年に開店、04年に閉店したが、70年代 「山下達郎」 「高中正義」 「坂本龍一」 「カシオペア」 と偉大なミュージシャンを生みだした。

僕は 「新宿派」 だったが、それでも 「六本木カラー」 をたまに聴きに出かけていた。
その頃には、列記した名前は出演してなかったが、その後の手練を多く輩出した登竜門。
新宿は硬派な男性客が占めるが、六本木は若い女性客の黄色い声援が飛ぶようなステージ。
新宿とは似ても似つかない、東京タワーを背景にした、都会の雰囲気があってね。

80年代後半、グループによっては、とりあえずメロディーはあるも、ソロ回しばかりという感じで、元なるスタイルはジャズだが、リズムやアレンジは16ビート、似たような曲でテクニックのコンテストのようで、フュージョンが変節してきたような時代。
後に 「イカすバンド天国」 とか、流行としてのバンドブームがおきて 「玉石混交」 時代だった。

当時、気さくに会話できた、ジャズピアノの貴公子と呼ばれた 「益田幹夫」 さん。
ブームに試行錯誤し、早い段階で本来のジャズに、カムバックしたひとりだった。
その頃には、本格的にジャズを聴くようになっていたし、それこそ良質なフュージョンだけが残った。
若い耳に 「フュージョン」 は楽しかったけど、並走した先 「ジャズにおちついた」 んだ。

演奏がうまいことは大切だけど、技術を見せるだけでなく 「情緒を伝えること」 の重要性もあるよね。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/427079730.html ( SHINJUKU PIT-INN  )

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2019年12月11日

Jazz Talk Vol.94

10日 19時に看板を灯し、フッと思い出した 「上原ひろみ」 ソロピアノ日本ツアー新潟公演。

同時刻 イントロダクション。
黒白88の鍵盤から奏でられる 「スペクトラム」 (色彩) が頭の中をよぎる。

彼女は自身のプレイを 「アートであり、エンターテインメントでありたい」 と語る。
天才少女が 「血のにじむような努力」 を続けた先で、ダントツの能力を兼ね備えた。

体で88鍵の位置を覚えこみ、すべての音階を瞬時に指が押し当てる神業。
華麗に鍵盤上を駆け抜ける、指使いを目の当たりにして、帰路についた人はうらやましい限りである。

僕は、来年2月22日 「辻井伸行」 ソロピアノ日本ツアー新潟公演のチケットを手に入れた。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/470463164.html ( Spectrum ) 
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2019年12月05日

Jazz Talk Vol.93

ジャズを細く長く聴き続けて40年。

その時おり、好きなアルバムやプレイヤーも変わり、耳の変化を実感しながらも、オーディオのようなハード面には行かず、気楽に聴くソフト面を楽しんできた。
時代を象徴する光景のひとつだった、目を閉じて耳を凝らし、小難しい顔でジャズを聴いたこともない。

ジャズバーの店主を自認しても、不要な使命感はないし、人に好みを押しつける気もない。
「ジャズが好き」 こそ、僕の名刺代わりで、よほどジャズの許容量が豊富でない限り、ジャズの話だけで小一時間はもたないだろうし、そもそもの答えはそれであってさ。

ジャズ本来は難しいが、難しさに時間を費やさず、楽しさに舵を切ることが、耳を鍛える早道。
現代ジャズの入口は多様化し、PCだろうが、CDに有線であろうが、音源を身近に流しているだけでも、自然とジャズの感覚が身につくもので、通勤のクルマの中で聴き流している人は意外に多いようだ。

だから、気軽に聴く魅力を伝えられればと、ジャズのページ (カテゴリー) に、駄文をつづっている。
不真面目かもしれないが 「たかがジャズ」 の中にこそが、次世代のあるべき道がある。
そして 「されどジャズ」 が、醍醐味であり、少数派になりたければ、表現者になればいい。

当店 雑談や日常会話が主旋律であり、行間を埋めるべくシーンを作るため、ジャズをのせている。

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2019年11月27日

Jazz Talk Vol.92

来月10日、ジャズピアニスト 「上原ひろみ」 ソロコンサートが新潟で開催される。

複数のお客さんに誘いを受けたが、さすがに12月は店をほったらかしてまで聴きには行けない。

公演とは、お客さんのためにある。
鑑賞後、他者と意見を交わしたり、感想を語ったりすることが、エンターテインメントの醍醐味。
料理と同じで、熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちにが原則。

だから、すぐに感想を語る。
その意味で、一人よりも二人、複数の語彙によって、一定レベルにまで理解がおよぶようになる。
想像力が欠落してるのに、好きだのキライだの、根拠のない戯言は決して口にすべきではない。

音楽的な感性を磨くことは、対話を通じたアウトプット。

迂回することなかれ。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/470463164.html ( Spectrum )
http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/444412586.html ( SPARK )
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2019年11月02日

Karel Boehlee (P)

「カレル・ボエリー・トリオ」 のアルバム 「 Last Tango in Pari 」 を手にした。

ご存知 「ヨーロピアン・ジャズ・トリオ」 初代ピアニストである。
リーダーアルバムは他にもあるが、インプロヴィゼーションは、幻想的なフレグランスをイメージさせる。

この手のアルバムは一歩間違えると、ただ甘いだけの 「ナルシズムな仕上がり」 も予想される。
そこをベースとドラムがピアノを盛り立てながら、リリカルで澄んだ旋律を太い骨格でメリハリをつけて、静寂な情感を醸し出している印象。
こよなく繊細でありながら、美意識丸出しにならないのは 「サイドメンの力量」 にもよると思われる。

「ピアノトリオは、最小限のオーケストラ」 ともいわれる。
どの編成より、トリオは自由空間が広いため、スキルとインスピレーションによる適応力を要する。
その分、ごまかしはきかないので力量不足だと、アルバムでもライブであれ、物足りなさを感じる。
それほど、トリオは組みやすい反面、求められる期待も高い分 「リスキーな編成」 ともいえるんだ。

最初は 「軟派なピアノ」 と否定されるも、聞き込めば判断を訂正しなきゃいけなくなるだろう。

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2019年10月19日

Jazz Talk Vol.91

今年9月に渋谷で開催された 「東京ジャズ 2019」

その模様が3週にわたって、BSで放映されている。
僕の目玉は 「チック・コリア・アコースティック・トリオ」 (バンド)
オンエアでは、観客と一体になった名曲 「スペイン」 が、ピックアップされていた。

過去、多くの魅力を書いたが、サウンド・クリエーターしかり 「トリオ」 でのチックが好きだ。
トリオの有名作は、ドラムがロイ・ヘインズの 「 Now He Sings Now He Sobs 」 (68) だろうが、僕のチャンネルはやや違う。

89年に結成した、ドラムがデイヴ・ウェックルのアコースティック・トリオに惹かれる。
とりわけ、ベースのジョン・パトツィッチの速いパッセージが魅力的だ。
その後、ドラムのスティーブ・ガッドと共演した 「 Super Trio 」 (05) も格別である。

チックからは、野生的な表現は伝わらぬも、フィーリングは極めてスタイリッシュなんだ。
どんなスタイルにも応じられる 「鍵盤の賢者」 という印象もあり、ステージでは温もりに満ちた人柄を感じさせ、ほがらかさが日本人からも愛されている。

13年9月 「新潟公演」 のステージでも耳にした、名曲 「スペイン」 は、6年の時を経ても、親近感を実感させた演奏で、メンバー3人とも 「カッコよく年齢を重ねているのよ」 これが。
チック・コリア 78歳  ジョン・パトツィッチ 60歳  デイブ・ウェックル 59歳  こりゃ、まいりました。  

ホンモノには時間がかかっていて、その表現が痩せてないのが証拠だよ。

 
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2019年09月26日

Spectrum

ピアニストにあたえられた平等な条件は、88の音階をたたき出す白と黒の鍵盤。

世界屈指のジャズピアニスト 「上原ひろみ」
3年ぶりの新潟公演は 「ソロツアー」 となる。
日程的に聴きに行けないが、ソロコンサートは耳慣れしていないとややむずかしい。

一口にソロピアノでも、そのスタイルはさまざま。
左手でベースラインとハーモニーを奏で、右手でメロディーラインを弾く。
基本的なところは一致しているが、自分の好きなスタイルにたどり着くまでが、長い道のりとなる。

僕自身、手もとに残してある、ソロピアノアルバムは限られている。
再聴するのは、テクニカルなだけではなく、イマジネーションが豊かで、リリカルなアルバム。
例えば、ビル・エバンス 「 Alone 」 キース・ジャレット 「 The Melody At Night With You 」

「告白的なアルバム」 が好きだ。
もちろん、ソウルフルで黒っぽいフィーリングも好きだし、クラシックなポピュラーも好きだ。
今、この気分で 「心が欲しがる音」 こそ、自分が求めているソロピアノ。
音楽を記号や符号で聴いていないので、欲するは自分の心境に近い音になる。

彼女の音楽は、爆発的なプレイスタイルにある。
超人的なテクニックはとどまることを知らず、さまざまな挑戦と力強さに多くの人から支持される。
その音楽性、ジャズの枠に収まらず、現在 過去 未来を感じさせる 「夢ある音源」 が詰まっている。
コンサートをより楽しむためにも、あらかじめアルバムを大筋で聴きこんで、出かけるのがいいだろう。

「あなたの感性」 いかに

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/444412586.html ( SPARK )

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2019年07月31日

George Benson  (G & Vo)

真夏に聴く音楽は、熱い臨場感より、アーバン感覚な 「スマートなフィーリング」 を欲する。

「ジョージ・ベンソン」 が、好きだ。

ギタープレイは然り、熟成した歌声に酔いしれたい。

夜遅く、冷房の効いたリビングで妻と、あるいは恋人とソファーに座り、聴きたくなる大人のラブソング。

選曲は 「 Turn Your Love Around 」 「 Feel Like Making Love 」 「 Inside Love 」

「 In Your Eyes 」 「 Grand New World 」 「 Love X Love 」

 
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2019年07月21日

Jazz Talk Vol.90

20日 深夜 今年3月の 「渡辺貞夫・ニューヨーク・ライブ」 がテレビで放映されることを知ったのは、新潟在住の 「ジェリー・マリガン」 と噂される 「バリトン奏者」 からのメール。

知らせがなければ、録画し忘れるところ、日曜の昼下りは 「 One For You 」 から、スタート。
素敵な 「日本語で語りかけてくる」 やわらかいアルトの音色に癒されて、40年あまり。

貞夫さんの音楽には、過去がつまっていると同時に、まだ味わい尽くしていない未来もある。
「聴きあきた」 で、封印できる音楽ではなく、人生にカーペットを敷いてくれるような色合いを持つ。

それは 「ジャズ」 というジャンルより 「渡辺貞夫」 という、別格なエッセンスであり、どんな時代でも 「前を向いた人」 であることを、一瞬にして再認識した。

ライブのセットにはなかったが 「  I Thought of You 」 という、曲が好きだ。
どこかの琴線に触れ、思い出の引き出しが開き、涙があふれ出そうな、やさしい父性を感じさせる。

 
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2019年06月24日

Time Remembered 2

ジャズピアノの詩人 「ビル・エヴァンス」 の生涯を描いた、ドキュメンタリー映画 「タイム・リメンバード」 を 「シネ・ウインド」 で鑑賞。
http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/465641704.html ( Time Remembered )

晩年、肝硬変が遠因の病に苦しみながら、病院代わりにステージで演奏を続け 「時間をかけた自殺」 と、ささやかれ、51歳で幕を閉じた、彼の背景に迫る映画。

内向的な繊細さが、高度な音楽欲求をもたらした反面、薬物、借金、離婚、近し者の死が薬物依存へと迷い込ませ、取り残された孤独に 「俺は死ぬべき人間」 と、自覚的に死に追いこんだとしても、不思議ではない。

彼の映画を見てから、音楽を聴くか、彼の音楽を聴いてから、映画を見るかは、それぞれの入り方。
音楽性は、ジャズのビギナーから、マニアまでとりこんでしまう、遠浅と深海の魅力が共存している。

つたない、個人的な感想をつづる。
物語の大筋は良くも、編集が粗く、新たな証言もなく、心許ない記憶を寄せ集め、迫真性には欠けた。
紋切り型といえばそれまでだが、没後40年の今では、あまりにも時間が経ちすぎてしまった。
思いつきでないにせよ、制作と公開には適切なタイミングがあったと思うし、記録映画として貴重だが、これ以上は掘り下げられず、客観性をふまえ、何を思い、どう感じるかは、個人の解釈となる。

映画のタイトル 「 Time Remembered 」 通り 「記憶には時間」 がある。

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2019年05月27日

Junko Yagami (Vo)  3

26日 今年も3人、3年連続、3回目の 「八神純子コンサート」 へ出かけた。

場所は新潟市音楽文化会館、開演16時、座席は一列目の一番左端。
アタリかハズレかわからない席に 「オレは、ゴキブリじゃねえ」 と、独り言を吐く。

ポップスのライブに出かけるのは、八神純子だけ。
過去3回とも 「日曜公演」 の日程が、鑑賞を可能にしている。

彼女の魅力は、過去のカリスマ性に頼らない、自立した女性の華やかさにある。
歌声とフレージングは、還暦過ぎの御年に違和感がなく、水準以上の歌唱を聴かせてくれる常備薬。
往年のヒット曲で、会場が盛り上がるのもいいが、彼女のステージには大人の香りがあり、それぞれの楽曲にムードや生きざまを感じさせ、長い時間をかけて仕上がった 「カッコイイ女性」 を感じる。

前半は上下白のスーツ、後半は青のワンピース姿で華麗に登場。
アレンジを変化させ、聴き手をあきさせない工夫で、会場を優しく包みこみ、ラストは全員総立ちとなり、手拍子、合いの手、声援と、ヒートアップしていく。

連れの二人も思いっきり 「ハマって」 おり、ボクも精一杯楽しんでるが、妻に 「ホラ、ノッテ、ノッテ」 と肘でプレッシャーをかけられる始末。
男はどこか照れ臭さがあるもの、こういうときの女は切り換えの早さに加えて 「せっかく来たんだから、もっと楽しもう」 と、すぐに沸騰点に到達するパワーは敵わない。
こうして、2時間にもおよぶステージは、少し感傷的な余韻を残し、18時に終演。

体は小さいのに、ステージ上で大きく見えるのが、八神純子の風格 (オーラ) である。

http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/460299658.html ( Junko Yagami (Vo)  2 )
http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/451218183.html ( Junko Yagami (Vo) )

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2019年05月22日

Terumasa Hino (Tp)

ジャズトランペッター 「日野皓正」 (78歳) が 「春の叙勲」 受章者に選ばれた。
長年、日本のジャズシーンを 「渡辺貞夫」 と、二枚看板で牽引し 「人を育てた」 功績は大きい。

高2の頃、新潟県民会館で見たとき 「気さくな不良」 の雰囲気を漂わせ、マイルスを意識してるような出で立ちで 「わからんやつはいい」 反抗的な態度があり、演奏がいきり立っていた。
初めて聴く方にすれば、憤りの感情がイカす解釈となり、演奏者がプライドに凝り固まると、いつまでも青春期の渇いた音の枠から抜け出せず、硬い音色でとどまることもある。

時代背景に、厳しい練習があるから、過程として 「通るべき勘違い」 も、未来につながる。
そこに動物的な勘が宿り、妙な工夫や小細工せず、感じたまま演奏する個性 (本能) が身につく。
どんな音をぶつけてくるかわからないのに、いちいち考えていられないし 「ジャズは感じる音楽」 だ。

今は当時より、平均的に上手く、思慮深いが、表現の場なのに、あまり個性を感じない。
デジタル化になると、葛藤が少ない分 「演奏に個性が宿らない」 というのかな。
チケットを買ったのに 「オレは、だれを聴きに来ているんだ」 と思ったことあるもん。

ブログに名を列ねたミュージシャンには、自分の音 (個性) がある。
デジタル化で、得るものはあるが、失いがちなものもある。
日野さんは後輩に、アナログ的な方向指示器を出して、その頑固な個性 (本能) が認められた。

それを感じさせるエピソードを知るが、興味のある人にだけ、カウンターでお話するよ。

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2019年05月13日

Time Remembered

ジャズを好きな者として、このドキュメンタリー映画は見逃せない。

新潟の映画関係者から 「ビル・エヴァンスの生涯」 を記録した映画 「タイム・リメンバード」 が、来月 「シネ・ウインド」 で、上映されることを知らされた。

ジャズピアニストの中で、とりわけ人気の高いエヴァンスを今さら語らぬが、享年51歳、生涯作品から一枚選ぶとしたら 「 Waltz For Debby 」 だな。
もしくはスタジオ録音、最後の傑作とも呼ばれる 「 You Must Believe In Spring 」 かな。
他のアルバム、他のピアノトリオと、そうカンタンに同列におけないほどの、最高傑作だと思っている。

何度聴いても、抒情的なメロディーと味わい深さが、人の心に訴求する。
2枚中、どちらかを聴き終えると細く長く 「40年ジャズを聴き続けてよかった」 と思う瞬間に出会える。
エヴァンスの求道者ではないが、こんなに人の心をつかむアルバムも少なくない。

後に、世界最高峰と感じた 「キース・ジャレット」 に移行したのだが、美しいものは最後まで人の心に収納されて、人生にストーリー性を帯びたとき、取り出したくなるアルバムこそ、心の名盤なんだろうね。
「 Waltz For Debby 」 の 「 My Foolish Heart 」 は、史上最も美しい、オープニングナンバーだと思うし、当店が開店した頃には、こればかりエンドレスに流していたので、心がしみいるんだよね。

世界中を魅了した旋律を奏でた、彼の人柄やヒストリーに興味を抱かないわけがない。

posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Jazz & Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする