2019年12月14日

夜の指定席

「年末年始、何してる」

連夜 そんな声を耳にする、バーカウンター。
冬のボーナスも入り、長い人であれば9連休らしいが、僕のような凡人には、耐え難い長さである。
社会は 「働き方改革」 として、よりよい自由を拡充し、ゆとりを満喫できるよう、大きく舵を切った。

そのこと事態はいい。
だけど、長々と休むより、仕事をしているときのほうが、自分らしくて楽しいと思う人も少なくはない。
何を隠そう、僕もそのひとりで、仕事の忙しさを不幸だと思ったことはない。

定年退職も同じようなもので、気力や能力もあるのに、自動的な仕組みで働ける場を得られなくなる。
人には個人差があるのに、定年退職はバカげた制度だと思うし、それを説くのが面倒なので、退職金を出すから、これで解決してくれという見方もできなくはない。

人は矛盾を抱えている。
「暇になると、忙しいほうがいい」 「冬になれば、夏がいい」 「所帯を持てば、独身がいい」 と言う。
つまり 「借りた傘も、雨が上がれば邪魔になる」 あの矛盾だよ。

これまで、カウンターでお客さんを見てきた。
値段が高そうだ、雰囲気がなじめないなど、経験不足な不安を抱えて、おちつきのない姿ほど暇な人。
忙しい人ほど、その合間を縫って過ごす、酸いも甘いも噛分けた、おちついた姿がそこにあるものだ。

バーは寂しげな雰囲気のない、大人の孤独力が集まる 「夜の指定席」 Reserved seat でもある。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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