ある休日の夜。
仕事も順調、肩書も安定、不自由のない給与で、そこそこ 「ひとり暮らし」 をエンジョイしていた。
焼肉店で、力を抜いた手酌をしながら、事務的に夕刊をめくり、作業的に運ばれてくるお肉を焼く。
上カルビにロース、上ミノに牛タンなど、だれにも気兼ねないが、焼肉はひとりで食べるものなのか。
会計後 「さびしさ」 が残った。
恋愛から遠ざかり、自由な生活を望んだはずなのに、これは 「おかしいじゃないか」 と思った。
好きなことをしているのに、楽しさは最初のうちだけで、自由を手にしたのに、心が満たされない。
自分はどんなことで幸せを感じたり、どういう生活で満足を得たりする、そんな基準がなかったんだ。
馬鹿げているが、家に帰り 「おかえり」 と、言ってくれる人が欲しくなった。
「強がれない孤独」 を感じたとき、男は結婚を意識するのでは。
今、真剣に結婚を考えている 「 K君 」 へ
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