2017年11月12日

社会の小窓

自宅マンションの中庭にある、花壇や木々の紅葉も終わりに近づいてきた。

これが終われば、一段と寒さが増して 「初冬」 となる。
先月、植木職人が樹木の枝葉を切りこんでたリ、雑草を刈ったり、冬に備えた手入れをしていた。

フッと思い出したのが、人生最初のアルバイトで、高校一年生の夏休みの 「造園業」 だった。
仕事の内容は、職人が切り落とした、枝葉の処分と雑草刈り、庭の掃除が主である。

楽しかったことは、移動のトラックに便乗させてもらい、助手席から見る、新潟市の新鮮な街並み。
うれしかったのは、庭園の家主から 「しまっておいて」 と、ティッシュに包まれた、二つ折りの千円札をチップとしていただいたこと。

日当は六千円、月末最終日に出勤日数に、少し上乗せされた現金を支給された。
初のバイト代は、ジャズのレコード代、大半は翌年のオートバイの購入に消えたはず。

給料日には、下町の行きつけの焼鳥屋で、慰労会をするのが慣わしだった。
その日、バイト代を受けとりに行くと、そのまま同席させてもらい、コーラと鶏の半身揚げをいただいた。
酒がすすむにつれ、職人談義も熱を帯び、仕事のやり方をめぐり、所々で小さな爆発は起きるものの、柔道の師匠でもある親方が、聞き分けのない子をあやすように、上手に仲裁していた。

そのうち、矛先はボクとなり、教育的なことを説教されたのも、つかの間。
気がつけば、下ネタな質問を浴びせられ、モジモジと赤面する姿を楽しむようにかまわれていた。
ガキをかまうことに飽きたころ、慰労会もお開きとなり、職人さんたちは 「若いおねえちゃんのお店で、今からブイブイ言わせて来るぜ」 (絶対に嘘だ) とかで、ゾロゾロと古町へ歩いて向かう。

未成年はここまでで、それまでの恩義に頭を下げ、その背中をしばらく見送っていた。
すると、現場で多くの時間を共有させてもらった、強面の職人さんが振り返り 「また、冬囲いに来いよ」 (木が風や雪の重みなどで傾かないようにする防風対策) と言ってくれた。
怒られっぱなしだったけど、認めてもらっていたことを感じて、とてもうれしくてね。

ポケットの給料袋を確かめながら、夜道で見上げた南の空に 「さそり座」 を見た記憶がある。

夏の太陽が照る、日替わりの庭園から見た、初めての 「社会の小窓」 が、造園業からだった。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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