2017年05月14日

カーネーション

昭和のある年、母親が自宅に帰って来なくなった。

「かけおち」 だ。

年号は平成へと変わり、長男としての気持ちを母へ伝えたが、涙声で 「ごめんね」 と繰り返すだけで、決意は変わらず 「仕方あるまい」 と受け容れて、また単身で東京へ行く決意をした。

そのことで、母を恨んだり、否定したこともないが、数年間は連絡を交わさなかった。
一人残された、父の心中を察すれば、結婚式に呼ぶこともできず、時と場所を変えて結婚報告をした。

数十年後、父の介護がはじまった。
晩年は特別養護老人ホームで過ごし、最期は終身医療病院に転居し、去年の夏に享年82歳で他界。
身を呈した時間と介護費用も重なり、最後は小さな家族葬で見送ったが、列席者に母の姿はなかった。

それでも、人生の一大事に直面したとき、母はいつもさりげなく寄り添ってきた。
そばにいてくれるだけで、どれだけの不安が緩和されたか、家族の温もりで親和欲求を満たされた。
何よりもうれしいことは、妻と仲の良い関係を保てていることだ。

今日、5月14日は 「母の日」

40年ぶりに 「カーネーション」 を贈った。
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