2016年07月25日

Jazz Talk Vol.74

幼い頃、奇妙な音楽を聴いたのが始まりだった。

あれは、1970年 (昭和45年) だったと思う。
職業 「ジャズドラマー」 の父親に手を引かれて、新宿の薄暗い楽器店に入った。

父は店主に 「上の坊主 (長男) だ」 とサラッと紹介した後、慣れた様子で新品のスティックを平坦な机の上に転がして、バランスを確かめた後、パットの上で目にも止まらぬ、小刻みなダブルストロークを繰り返して、2本のスティックを店主に手渡した。

子どもの目で周囲を見渡すと、いろんな楽器が店内を埋め尽くしていた。
小麦色に日焼けした白人女性のヌードポスター、玉汗を流した黒人ジャズメンのモノクロポスターなどもところせましに貼られており、幼稚園しか知らない澄んだ目には、とても異様な光景に映った。

黒いスピーカーからは、奇妙で低音に迫力のあるサックスの音色が響き渡っており、トップシンバルが打ち鳴らされたと同時に、音の洪水を浴びたような感覚にさらされたことは憶えている。
「あれが、ジャズだったんだ‥」 そんな印象である。

それから、10年後‥
あやふやな記憶のまま、あのとき聴こえていたサウンドは 「ジョン・コルトレーン」 のような気がした。

「16歳の夏」 である。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz & Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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