2016年02月24日

8 Anniversary

22日 「開店記念日」 は、サラッと過ぎ去った。

ある日、50代後半と思しきお客さんとこんな会話をした。

(開店して) 「まだ、8年ですよ」 と恐縮すると、日経新聞をコートにしまいながら 「いや、昔の8年と、今の8年は比べられないよ」 という。

「今の8年は、昔の15年ほどに相当する」 とも付け加えながら、自分も起業計画を立てたことがある  らしいが、収支に確実性が見出せず、断念した経験があるという。

「冷静な判断をしましたね」 と感じたことを返すと 「いや、度胸がないだけ」 と煙に巻くが、それをしたしないではなく、無謀な判断をしない冷静な決断に共感したんだ。

8年前にさかのぼる。

開店した2008年、世間は 「リーマンショック」 の影響をかぶり、翌年の2009年には、戦後最大級とうたわれた 「未曽有の大不況」 に、先行きが脅かされた。

2011年には 「東日本大震災」 で心を折られ、長引く自粛ムードに苦しめられた。
街は次第に業を煮やし、新潟市長が異例と思える記者会見を開き 「過度な自粛はやめるべきだ」 と、経済が立ち行かなくなる懸念を口頭で示した。

前年に政権は変わったことで、景気回復へ期待もしたが、決め手がないまま景況感は悪化する一方で気がつけば国民は 「マイナス思考」 に陥っており、今の個人消費の落ち込みが物語っている。
ポジティブな気持ちは儚いが、ネガティブな気持ちは長く陥りやすいものだ。

そこで、先ほどのお客さんとの会話を思い出したのである。

当日の口開けは、8年越しのお客さんとなる、30代のご夫婦であった。

オープン初日、最初のお客さんでもあり、公私に親しい関係になれたのも、その年齢差にたじろいだり、接し方に迷うこともなく、誠実以外は何者でもない。

奥さまは気の利いた社交を持ち合わせ、ご主人は素朴な反応が特徴的で、仲睦まじさは折り紙つき。
それに、ご主人の前職がオーセンテックなバーテンダーなので、バーのおもむきを理解して下さるから、心から謝意を述べたい気持ちは重なる一方である。

バーの魅力は、昨日までの見知らぬ人が、明日からの知り合いになれること。
一枚のカウンターをはさんで、おたがいつきあいたいときにつきあう、表現の空間が存在している。

このあたり、酔いたければコンビニでお酒を買って、自宅で飲んでいれば済むことなのに、つかのまの自由をひたりに来るのかを考えれば、あまりお酒を売っている感覚ではないんだ。

ボク自身の私生活は、飲みに行くというより 「あそこに行けばだれかいる」 そんな感覚も少しあるが、その場が一人だろうが、二人になろうが、気後れする年齢でもないし、バーなら意に介することもない。

開店9年目に入った。

来年もささやかに祝杯を上げれるように、19:00の街にブルーの看板を灯して行きたい‥ ありがとう。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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