2016年02月21日

シズル感

二夜続けて、食卓に冬の味覚が並んだ。

一夜は湯豆腐で、トロトロの長ネギも入ったねぎま鍋。
煮えごろのネギを食べると、かぜ対策をしたようで、気分はすこぶるいい。

二夜はおでんで、大根は消化を助ける効果に加えて、更なるかぜ対策となり、安上がりな食材となる。
家庭料理はあれこれ言わず、黙って食べるのがいさぎよいが、作り手もちゃんと考えているはずだ。

独身時代の食生活は、それはひどいありさまだった。
今みたいに分別ごみではなかったが、ポリ袋の中はプラスチックの弁当容器ばかり。

ひたすら外食で偏ったものしか食べず、台所が稼働することもないので、床に布団を敷いて寝れるほどキレイだったが、考え方においては、これほどわびしい住まいはない。

それなら、まだパスタを茹でて、湯切りをするザルがないからといい、テニスラケットのガットを代用して、シンクを水垢まみれにしたほうが、生活にうるおいがあったりするだろう。

優秀な販売員は 「ステーキを売るな、シズルを売れ」 (肉を焼く鉄板の音や匂い) を実践している。
肉汁や風味を感じさせてこそ、ステーキの味わいが引き立つ、アメリカのビジネスモデルな考え方。

それと同じで、外食や美食よりも、家庭でまな板の乾いた音、台所から少し漂ってくる匂いがするから、料理は美味しく感じるのではないだろうか。

この年齢なら、ほどほどに美味しいものは食べてきた。
味覚の欲求もおちついているから、食の追求をすることもない。

くて美味しいのは当たり前だけど、街の小さな洋食屋のオムライスにカレーライス、定食屋のかつ丼などに、懐かしくも素朴な味わいを知ることができる。

ネギや大根の価値を見直せるように、本来の食生活なんて素食でシンプルなのである。
ひとりで高級食材を食べるよりも、ふたりで精進料理を食べたほうが、美味しかったりするからね。

その意味で 「シズル感」 は、料理の素材そのものだけではない。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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