以後、抗がん剤治療を続けながら、家族の愛情を一心に受けて、今も闘病生活をしている。
そんな中、今年8月に当時のプロレス仲間が集結し、後楽園ホールでチャリティー興行を催したという。
そのリング上で、レスラー時代の垣原の恩師でもある、元リングスの総裁 「前田日明」 (56歳) が、マイクを握り、予想もしない 「熱い言葉」 を贈った。
「がんぐらいで、オタオタするんじゃない、垣原!」
「おまえは家では亭主であり、子どもの前では父親だろう」
「だったら、こうして応援してくれている人たちのためにも、しっかりしろ」
ボクはまるで、自分に言われたようで、思わず熱いモノがこみ上げてきた。
人の病には終始、同情的な言葉になりやすいが、こんなに本気でやさしい言葉を放てる前田こそ、 真のやさしさの持ち主ではないか。
どんな治療薬よりも、人の善意や精神的な応援は、時としてその人の心に大きく響き、その熱き言葉で気持ちを救うことができるのを、あらためて感じさせてくれた。
言葉の受け取り方によっては、解釈は異なるかも知れないが、良くも悪くも男から慕われる豪傑とは、 一緒に気持ちで立ち向かおうとする、強い気概である。
ボクにとって、今も前田日明は 「昭和の兄貴分」 に近い理想のひとりである。
【Bar & Humanの最新記事】