本編 「ロン・カーター」 と、リズムを担った、ドラマー 「ビリー・コブハム」 のプレイを映像で、じっくりと見たく、その持ち味はパワフルなドラミングが、魅力的な存在である。
ゆえに、モダンジャズの原点である4ビートからは、遠い存在におかれていたようだが、時代の新境地を開いた功績からすれば、もっと評価は高くてもいい気もするが…
ウェザー・リポートのドラマーで名を馳せた 「ピーター・アースキン」 リターン・トゥー・フォー・エバーの 「レニー・ホワイト」 も、後に 4ビートの 「スティックワーク」 を披露したが、彼らのルーツをたどれば 「ジャズ」 であり、オファーに応えていたら 「ロック・フュージョン」 のラベルになっただけである。
一貫して、4ビートの第一線に君臨した 「エルビン・ジョーンズ」 や 「トニー・ウイリアムス」 など、 別格もいるんだけど、他は要求に応えただけで、真のスタイルは 「ストレート・ア・ヘッド」 なんだ。
まず 「ジャック・デジョネット」 がそうであったし、ボクの好きな 「アル・フォスター」 も、てきめんで、 2人に共通しているのは、リーダーというよりも、サイドメンとしての実力に本筋があると思えた。
アルの場合 「マイルス・デイビス」 を従属的にささえているよりも、ハービーや 「ソニー・ロリンズ」 と一緒に、自由度の高いドラミングを披露していた姿のほうが、それはもう断然好きでさ。
「ハービー・ハンコック・トリオ・83」 に話を戻す。
レギュラードラマーだった、トニーのシャープなスイング感のほうが、完成度が高いと思えるが、ビリーはパーカッションを駆使したロックアプローチで、種の異なる特別なスイング感はあったけど、即席トリオの印象は否めなかったなあ。
ビリーの持ち味となる連打の速射砲で、ハービーをガンガンあおると思ったが、どこか遠慮というか、 まだ 「トリオが融和していない」 印象を受けた。
ロンがリズムをガッチリとキープしてるから、もっとドラムのカラーを打ち出してもいいんじゃないかと。
ボクにしては、めずらしいことを書いたと思われそうだけど、期待が大きかった分、個人的な 「ベスト リスト」 には、ならないかな。
余談だが、好きなリーダーアルバムは 「ハービー・ハンコック・トリオ・ライブ・イン・ニューヨーク・93」
日本だと手抜きをしても、その存在に拍手喝采されるが、ジャズの本場ニューヨークあたりだと、エールが大きい分、ヘタすればブーイングを浴びさせられるんだとか。
ボク自身、東京で 「ジョニーグリフィン」 を聴いたとき 「あれ?」 …そんな印象を持ったことがある。
ハービーの 「本気モード」 を感じさせられた、お気に入りの 「NYライブ」 がこれである。
リズム隊 (サイドメン) は、日本では無名に近いが 「こいつら、只者じゃないぞ!」
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