2015年08月07日

深夜の電話

某平日 深夜 0時40分…

歴代の常連客だった 「M本」 さんから、長距離電話が店にかかってきた。

「やあ、久し振り!」  そんな程度だったけど、少しお疲れぎみのようだ。
言葉の端々が、トーンダウンしているように聞こえた。

お客が引けるであろう時刻に合わせたようだが、今宵のカウンターには 「ナイトキャップ」 が数名。
雰囲気を察したのか 「また、かけます」 で、ひとまず間合いをおきあった。

「今日じゃなきゃいけない、相談事でもあったのかな」 と、やや後味を残したが、こうして気兼ねなく  電話をかけてくれたことで 「近しい関係」 に、変わった瞬間に思えた。

「真夜中に電話をできる友人はいますか…」

常識として、ためらいもなく、深夜に個人宅へ電話する人は少ないだろう。
そんな時間に電話をかければ、緊急性のあることか、病になったのか、普通の神経なら不安が先立つ。

だが、理屈ではなく、だれかと電話で話したくなる夜はあると思う。

人恋しく、深夜のコンビニに入っても、孤立した客と店員の冷めた空気だけが、ただよっているものだ。
それぞれの事情に、都合よく対応してもらえる夜の場所など、実はありそうでないことはわかっている。

実際、深夜にかけるかけないは別として、かけたときに対応してくれたら、それなりの関係であろう。
また、かけなくても、いつでもかけられると思っていれば、ささいなことではかけたりしないもんだ。

バーは深夜営業であり、その時間なら、ボクは 「どっこい」 仕事をしている。 

深夜営業の特殊な利点で、人の心を軽くすることができるのであれば、職業冥利に尽きるだろう。
立体的な人間模様が見え隠れするバー空間では、意に介しないコミュニケーションも大切である。

こればかりは、金では買えない人との互換性であり、カウンターでの対面と時間の長さと深さにおいて、いつしか精神的に、お客さんと近しい関係になるときもあるからね。

場所は離れていても 「その後、いかがお過ごしでしょうか」 と言い合えるのが 「近しい証」 である。

そういうときは、男も女も年齢関係なく、去年のボクは 「近しい関係」 たちから、助けられたんだ。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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