春先、感傷的になるのは、人それぞれに別れがあるから。
店をやっていれば、お客の顔ぶれも代わり、転勤族であれば、期限つきの親しさに一喜一憂する。
親しさに程度あれ、芽が出かけたのに拍子抜けな別れもあれば、何も告げられず消滅することもある。
また、新潟にうまくとけこめずに、気分的には完敗状態で、次の赴任地へ移動する人もいる。
そうかと思えば、新潟で新鮮な生き方を発見して、新天地へふみ出す人もいる。
その思いはどうあれ、新潟にいたことは、あとから実感することだと思う。
ボクより、5歳年上の某新潟支店長が転勤で新潟を離れることになった。
あとは近日中に住まいの鍵を不動産屋に返し、来週にはネオンの彩が豊富な街にいることであろう。
年齢や肩書を意識することなく、ジャズ好きが高じた時間を共有できたのが、率直な気持ちである。
そのおかげで、フリージャズ系に好奇心を持てたし、ボキャブラリーが広がったことも大きい。
時計の日付が 「11日」 に変わるころ。
「会うのは、きっとこれが最後になるんだろうな」 と思いつつ、ちょうど店に手伝いに来ていた妻とボクに満面な笑顔を向けて、粋に別れを告げるところが、Eさんの 「江戸っ子」 らしさだと思えた。
「チック・コリア 新潟公演」 を一緒に聴きに行ったことが、いい思い出になっている。
翌朝、カーテンを開けたら、雨空の下、満開の桜がユラユラ揺れていた。
2015年04月13日
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