2015年03月16日

筆太な号外

14日 深夜のカウンターにて…

ウイスキーで口を湿らせながら、手もとの白紙に視点を落とした 「Mを」 さんは、御年66歳となる。
ゆっくりと筆入れするその姿は、青二才じゃ真似できない 「大人の孤高な色気」 が漂っていた。
ユーモアがこめられた達筆な親書は、帰宅を待つ妻に手渡した。

15日 自宅のリビングにて…

横浜の消印が押してある官製はがきは、今年20歳になる女子大生の 「Mい」 ちゃんからだった。
まるで、子どもから大人への成り変わりを感じさせた、全文手書きの素直な内容がとてもステキである。
「早くあったかくなりますように…」 と祈りの季語で締めるあたりは、偉大なる母上さまの影響かな。

SNSが発達してから、自筆に触れることが少なくなった。
伝達手段どうあれ、文章は伝わればいいが、ボクが感じて思いを馳せるところはそこじゃない。

メールはソファーに寝転んでいても、便座に腰かけていても、親指操作でカンタンに送信できる。
それが手書きとなれば、それなりの用意があるし、誤字脱字の修正もあり、時間と面倒がかかる。
また、書くときの姿勢も保たれていないと、そうカンタンにペン先を走らせられるものではない。

文章には、それぞれの利点と欠点がある。
自筆は直接会って、気持ちを伝えることと近い意味をもつ。
文章の良し悪しを問うのではなく、素直に相手の心情を受けることが、理解度につながると思う。
その心情を見逃したら、見逃した自分に欠点があると思うようにしている。

お二方に、共通しているところがある。
「Mを」 さんは、字を書き続けることで 「日本の伝統」 や 「モノ作り」 に、精通しておられる。
「Mい」 ちゃんは、英文科でありながら 「日本語と型」 の、大切さを薄々理解しているところ。
通してコレ…  偶然じゃない気がしている。

筆不精なボクにとって 「筆太な号外」 の意味合いを持たせてもらった。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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