2014年10月10日

Peter Cat

「村上春樹」 = Peter Cat

この取り合わせがわかる人は、今やジャズファンだけではなく、村上春樹のファンなら知っているだろう。

彼はジャズ好きが高じ、東京の千駄ヶ谷で 「Petre Cat」 という、ジャズ喫茶を経営していた。
昼は喫茶 夜はバー 二毛作営業で合間を利用しながら、小説を執筆していたらしい。
文才が人様の目に止まるようになって、結果として小説家に生業を移すことになったとか。

数ある作品の中には、ジャズのコラム、ウイスキーのエッセイなど、優れた執筆も多い。
他の作品でも、ジャズを情景描写に使っている行もある。
僕は 「ハルキスト」 ではないし、行間をすっ飛ばす乱読タイプなので、大そうな感想は書けない。
それに、小説家の村上春樹より、独眼竜で描くコラムのほうが、僕には読みやすい。

しかも、メジャーなことを題材にしない。
ジャズなら 「ジョン・コルトレーン」 「チック・コリア」 など、巨匠は積極的にとりあげない。
「キース・ジャレット」 に至っては、「好きになれない」 一文を目にしたこともある。
その代わり 「デクスター・ゴードン」 「シダー・ウォルトン」 などの渋さを取り上げる。
それも、過剰表現な文章でなく、割り切った表現が伝わってくるのがいい。

謎に包まれた、生態系も好きだ。
なかなかマスコミの前に姿を現さないし、そうそう世間に素顔を公開しないところ。
小説家の素顔が有名になりすぎると、いい作品を描けなくなる。
なぜなら 「商業的な作風」 になるから 「媚びない力強さ」 が失われて行く。
そうなると 「仕事小説」 のようで、味わいは薄れる。
だから、小説家は執筆以外の表舞台で有名になろうとせず、できるだけ身を隠してこそ、読者の鼓動が高まるというもんじゃないかな。
その点、彼は 「セルフ・プロモーション」 を知っている 「クレバーな作家」 だと思える。

蛇足ながら、ノーベル文学賞の有力候補に上がっていたが、今回も受賞できなかった。
彼には、喜びの表情より、どこか照れた表情を浮かべているほうが、似合う気がする。

現存しない 「 Peter Cat 」 同様、村上春樹は 「無冠の帝王」 でいいのじゃ! 
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
新潟在任中はお世話になりました。たまにブログを見て、新潟の景色を思い出しています。取引先が千駄ヶ谷にあるので、村上春樹がオーナーだったジャズ喫茶の跡地をさがしてみたいと思います。新潟出張の時は、近くのホテルをとりますので、真夜中までいさせて下さい。では、その時を楽しみにしています。
Posted by せんだ at 2014年10月13日 20:10
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