2014年09月11日

負のおもてなし

大阪のコンビニ店で、客が店の対応に 「いちゃもん」をつけて、店長を恐喝した上、土下座を強要させたその姿をネットで配信する事件が起きた。

コトの発端は、空のペットボトルに水道水を入れるように要求したところ、店側にお断りされたところからはじまったというが、問題は恐喝や強要はもとより、野蛮な行動をおこすメカニズムを知りたくなる。

今やコンビニは、「街のホットステーション」と、呼ばれるほど定着した。
そこは商品単価が低いから、客数は多くなるが、必然的にトラブル頻度も増えるというもの。
老若男女、ゆえに、人の本性も目の当たりにしやすい場所にもなる。

もしも、客の言い分が正当であれば、クレームをチャンスに置き換えて教育的な余地を持つだろう。
しかし、毅然とした店の姿勢に暴力的な態度で来れば、理屈が通用しないから警察に通報すべきだ。
それは、卑劣な精神構造にとりつかれた、「大人のいじめ」 でしかないからである。

だが、定着したコンビニだから、何でもやってくれると錯覚された向きがある。
「すべてはお客様の笑顔のために」と、あまりにもへりくだった集客手段が次第に軽んじられるようになりコンビニなら多少のわがままも許されてしまう場所になったんだと思う。

常識的な言い方で注意すれば、「責任者を呼べ」…
店内での喫煙をとがめれば、「注意書きがない」…
防犯意識も含めて、もはや管理能力の範囲を超えている場合もあるだろう。
これまでのへりくだったサービスが、客をわがもの顔に変えてしまったのかもしれない。

10年ほど前、居酒屋チェーンの過当競争が激化していたころ、だれもが知る大手の創業社長が、    「お客さまの奴隷になりたいんだ」と、「ドM発言」をして、世間からは商人の鑑だと持ち上げられた。
その結果、「行き過ぎたサービスの虜」になった客は、普通の接客では満足しなくなり、やれ、      「笑顔でいらっしゃいませと言わなかった」だの、「料理の提供が遅い」やら、意見は正解なんだけれど、 ミシュラン気取りが増えて、「ほどほど」や、「そこそこ」という、大切な塩梅を失ったと思える。
その塩梅がわかっていれば、金は払えど店員を見下した態度はとらず、その物腰たるもの寛容だから、店からも感謝の意を表されるものである。

話をまとめていくと、ここまで傍若無人な行動を助長させたのは、サービスをイメージ戦略に企てすぎて現場の商売を成り行き任せにしてきた、机上からの指示に問題があったんじゃないかな。
ましてや、コンビニは個人経営と近しく、立場の弱い家族経営が多い。
企業はサービス標語を開発しても、現場は非常識な相手にも対応しなきゃならないのが実情。
夢あるコンビニ加盟店の触れ込みなのに、家族の安心や安全を保証できない本部は疑わざる得ない。

もしかして、売上さえ伸びていれば、よしとする感覚であろうか。
そんな、「サービスのメカニズム」であれば、早く払拭してしまうに限る。
客に勘違いをさせてきたのは、企業イメージを上げるための、とても安易な 「負のおもてなし精神」が  招いたことじゃないかとさえ思えるんだ。

空のペットボトルを差し出した理由はともかく、一般小売店に入って 「百円の水ぐらい買おう」という  気にはならないのかな。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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