サッカーW杯は残すところ、このあと朝5時からの3位決定戦と明日の決勝戦の2試合だけになった。
試合前の選手入場シーンで、子どもと一緒に手をつないで入ってくるのは、おなじみの光景である。
選ばれた子にとって、それは一生の思い出以上に、最後まで心情的にその選手を応援し続けるだろう。
子どもならず、手の感触というのは、いつまでも覚えているものだ。
手をつないだ感覚であれ、握手を交わした感覚であれ、温もりや柔らかさ、大きさは人それぞれ違う。
高校2年生のとき、プロレス会場となった新潟市体育館にて、リング上から花道を引き上げてくる 女子プロレスラー デビル雅美 と、対面で握手を交わしてもらったことがある。
当時の女子プロレス界はビューティーペアが引退後、ミミ萩原を前面に売り出したけど、爆発的な スターレスラーが不在で空席のほうが多かったころだ。
僕はアイドルレスラーには興味がなく、日活ロマンポルノ系のお色気レスラーのほうが好きだった。
そういう女子レスラーは、大人顔のメイクで悪役系の扱いをされていたので、男のファンも少し怖気づき遠巻きであまり近寄ろうとはしてなかった。
そんなころに花道でサッと手を出したら、僕の顔を見て握手に応じた、スーパーヒールのデビル雅美。
興行上、デビルはヒール (悪役)だが、一瞬の手の温もりに隠された、その素顔を見た気がしたんだ。
いずれ劣らぬヒールだけど、「本当は悪役なんかしたくないのよ…」 そんな女性の叫びにも似た握手。
その後、クラッシュギャルズの出現によって、空前の女子プロレスブームに突入していくんだけど、 僕はそんな人気を尻目に最後まで、デビル雅美 の隠れファンだった。
きっと心情的な気持ちが、後々まで続いていたんだろうね。
だから、サッカー選手が手をつないでいる子に微笑みかける姿を見ると、余裕のある男だと感心する。
2014年07月13日
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