世界的なビッグネームともなれば、テクニックにフィーリング、アドリブ面に至るまで、非の打ちどころはないし、それにライヴで失敗があったとしても、普通の人には絶対にわからない。
そこをわかるまでの過程として、日本人が奏でるジャズも耳におさえておきたいところだが、もちろん良し悪しを問うことではないので、勘違いなさらないでほしい。
最初、小さめな「ライヴハウス」に行って、ドラム(スネア)のパルス(振動)が、伝わってくる体験にリアルさを感じたり、生演奏でのテクニックやアレンジ、フリーフォームに興味を抱きだす。
しかし、新潟では限られたパフォーマンスしか味わえないのが、物理的にいえば残念であろうか。
往年のリスナーは、ジャズをよく知っているが、あんがい片手落ちなんだ。
「マイルス・デイビス」は聴いたけど、「日野皓正」は聴いていない。
「ソニー・ロリンズ」は聴いたけど、「渡辺貞夫」は聴いていない。
「サッカーワールドカップ」は見るけど、「Jリーグ」は見ない… そんな感覚であろうか。
感覚が一方的過ぎると、一流の妙技を目の当たりにしても、語れずじまいになりがちだ。
だから、僕はサッカーの弁は立たないし、ノリやいきおいでしか楽しめないんだ。
それはそれで、「エンターティメント」に問うべきことはないけど、「日本のジャズ」や「J1」を見るのは ダサい(流行おくれ)になると、文化やスポーツが育たなくなるから偏重はよくない。
話を速やかに、ジャズへ戻す。
ジャズの専門誌などで執筆している人は、その過程をもっているから、独眼文章を書けるんだ。
身近な存在に触れているからこそだし、なによりもジャズが好きであるということ。
20代、「新宿ピットイン」に出入りしていたことが、感覚的にはよかったのかもしれない。
それに、「新潟ジャズストリート」に出演しているメンバーの制作CDも何枚か聴いている。
手元に保管しておくのもあれば、好きなお客さんに譲るときもある。
10代、地元のミュージシャンの生演奏(ライヴ)を聴きながら、次第に興味が拡大していったことを 思い返せば、経緯も大切のような気がする。
20年ほど前、日本人は大リーグでは通用しないと言われながら、今じゃ「ワールドレベル」であることを考えれば、日本のジャズも例外ではなく、多彩なジョイント(協演)が実力を証明したわけだしね。
その意味において、日本の殿堂 「新宿ピットイン」が輩出した、ジャズメンは凄い面々である。
そのような過程で、内外問わず時代のヒーローは変わっていったが、個人的な頂点となったのが、 孤高ながら 「キース・ジャレット」だったに過ぎない。
いずれにせよ、興味が早くても、理解できるようになるまで時間はかかる。
だから、一本釣り(固定)だけではなく、いろんなジャズで過程も楽しむべきであろう。
緩急を巧みに使い分ける、白いハンチングのピアニストは誰なのかな… 俺好みのソロなんだよな。
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