2014年05月07日

ある精肉店のはなし

人間は生きるための手段として、動物に相当残酷なことをしている。

同時に子どもに、命の尊さを教えることもあまりしてこなかった。
なぜなら、大人が命を理解していなから、説明できるわけあるまい。

論より証拠で、宴会料理の食べ残しぶりを見れば、食肉の背景などに思いやりの欠片もないはず。
「給食やご飯は残さず食べなさい」と、教育している大人からして、外食先ではこのありさまだ。

現在、シネウインドで公開中の映画 「ある精肉店のはなし」を鑑賞してきた。
子どもに命の尊さを教えてやれる、質の高いドキュメンタリー映画である。
同時に、差別部落の人権問題にも焦点をあてられており、どちらにも重点をおける仕上がりでもある。

日本は見せない論理が強いが、見せる論理には何かと批判的になる。
その際、「かわいそう…」なんて言いかたはいけないし、同調する気はない。
それよりも、「人はどうやって生きているか」を教えたほうが、はるかにまともだと思える。

原始的な方法で殺める場面を見れば、誰だって辛い気持ちになる。
「じゃあ、食べないのか」と言えば、そういうわけにもいかない。
だけどあえて知ることで、やさしさを理解できる子どもに育ってくれるんじゃないかな。
そうじゃないと、命の本質がわかっていないんだから、人の痛みなんてわからんでしょ。
陰湿ないじめ問題の背景には、命の尊さや社会的な人権について、教え込まなかったからだと思う。

4年前、日本のイルカ漁を欧米論理で製作された、映画「コーヴ」とはまた違った一面をもつ。
命の扱い方を順序立てで教えることで、逆に偏見や差別はおきにくくなるだろう。
それに「食育教育」は、ある種の辛さがともなわなければ、原点を見失っている気がする。

「ある精肉店のはなし」
深い説得力をもちながら、見終えたら「ほのぼのと優しい気持ち」で、劇場をあとにできる秀作である。 
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Cinema Fan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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