2014年03月27日

酒場の仁義

十数年前… 在籍していた会社の社長と徒歩で出先へ向っている途中、前方から柔和な笑顔を向けた50代と思しき男性と、軽い挨拶を交わしてすれ違った場面に居合わせた。
これも人脈の広さと思いきや、何でも行きつけの店の常連客らしく、淡白な関係ではないという。

大方の男なら、仕事帰りに軽い挨拶を交わせる1〜2軒はもっているもの。
顔なじみになるのは、同じ店に通っている常連客だったりする。
この時期、お客さんから聞かれることは、「…さんは元気ですか」なんて声。
「相変わらず」なら早いが、「最後に見えたのは、えーと…」と思い返す人もいる。

突然見えなくなった後から、「転勤した」や「引っ越した」だの、風のウワサによると「リストラ」されて   飲めるような状態じゃないことを耳にするときもある。
よくあるケースとして、それまでは一緒に来ていたのにどこかで仲違いを起こして、おたがい意識的に「ニアミス」を避けるようになり、イタズラに関係がこじれていくのを見るともったいないと思う。
唯一、仲直りできる場所なのにね。

まあ、転勤などで去るにしても、それまで仲良くした顔からすれば、「ひとことぐらいあってもいいだろ」と建前とも本音にもとれる静かなつぶやき…
僕もメッセージをあずかっているわけではないので、こればかりはどうしようもない。
中には、「街中で偶然に会ったけど、よそよそしい態度にガッカリした」なんて声もあった。
所詮は酒の席と割りきれるが、素面でコミュニケーションできないのは、社会人としてはどうなのかな。

人とのつながりは儚いけど、不都合で後ろ指をさされてしまうこともあるだろう。
多少の誤解はあるにしても、「あー、あの人…」と渋い顔をされることもあるだろう。
それより「あの人、元気」と、さりげなく見守られている人は、どこでなにをしてようと好感度は高い。
人とのつながりは、「後者」としか保てないんだよね…

職場では厳しい人で通っている人も、酒場では素顔の優しい人も多い。
二つの顔を使い分けられる人は、公私にメリハリが利いているので、内面が奥深いんだ。
人脈も凝り固まっていないから、ボキャブラリーもそこそこ広い。
広く浅いつきあいも知っているから、いつまでも変わらない関係でいられる。

小雨が降り続けた早い時間。
2年は県外に出向するからと、わざわざ挨拶を置き土産に来てくれたS木さん。
こういう人は、新天地でも人脈を作れるだろうし、誰からも愛される気がする。

酒場ではシンプルなつながりを残すことが大切で、そのためにも仁義を知るに越したことはない。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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