時刻は午前0時、日付は11日に変わった店内。
5時間後の午前5時に起床するM本さんは、単身赴任の任期まで残すところあと二週間となる。
6時始発の上越新幹線に乗り継ぎ、羽田空港から飛行機で午前9時半には高松入りする予定。
普通なら寝ている時間だが、まだカウンターで飲んでいるのは、毎日は杓子定規ではないこと。
だけど寝覚めに不安を感じているようなので、僕の方から「モーニングコール」をしましょうかと提案。
「恥かしながらお願いします」と肩をすくませるが、小さな手助けはそれまでの関係冥利である。
グラスを空にし、そのまま目の前のマンションに消え去ると角部屋に灯った明かりもつかの間であろう。
午前5時、左手に開けたてのカンビールを持ちながら、右手のケータイからコールする。
早朝にむさ苦しい男の声はイヤだろうから、2コール目のケータイを妻に渡して、20歳若返らせたようなぶりっ子の裏声で、「二度寝はしないように…」と念を押して、われわれの任務完了。
今度、僕がコールするときがあれば、開口一番「キェーイ」と気合入れて叫んでおこしてやるぜ。
つきあいなんて、難しいこと抜きにこんなもんでしょ…
2014年03月12日
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