新潟から転出する人もいれば、どこからか転入してくる人もいる。
不思議なもので、「店の座席が3席空けば、そこへまた3席埋まる」繰り返しとなる。
このあたり、テレビの視聴率と似ている。
どんな人気番組も、視聴率はせいぜい2割ほどらしく、単純に8割の人は番組を見てないことになる。
欠かさず見ていた、2割の視聴者も環境や指向の変化により、やがてその番組を見なくなる。
しかし、見なくなった番組でも、また新しい視聴者がチャンネルを合わせにくるという。
店も例外ではなく、お客さんの周期で成り立っている。
それまで来店されていた常連さんも、そのうち離れていくのは織りこみ済み。
たまに懐かしくて来るお客さんもいるが、その人はすでに違う店をもっている。
不定期ながら、また違う店を探し回り、同じアプローチを繰り返していくのである。
そして離れた2割中の常連席には、また新しい常連客が座るのが慣わしとなるのが自然なこと。
理由じゃなくて、そういうもんなんだよ…
しかし、中には引き際の寂しい人もいる。
酒乱は問題外だが、女癖が悪かったり、人が嫌がる話をするなど、場になじめずに去らざる得ない人。
正面切って言われてないから、本人は気づかないだけで、残念ながらどこの店でも同じ繰返しとなる。
「あの人、いいお客さんだったね…」と言われる人ならば、どこの店であろうとすこぶる評判はいい。
このあたりは「蛇の道は蛇」であり、本人の品性にもつながりかねない、評判を聞くときもある。
そんな周期を横目に、転入と転出を繰り返すのは、学校の仕組と似たようなもの。
それでもフッと思い出したときに、自分なりのペースで顔を見せに来てくれるお客さんもいれば、 開店まもないころから、止まり木にしてくれているお客さんらにも見守られて早7年目。
学級編成をしても、また同じクラスになったような、どこか懐かしくも自然と寄り添える関係が芽生える 4月の春はすぐそこまできている。
いい客になることは、顔なじみからも歓迎されるようになる。
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