2013年10月13日

Jazz Talk Vol.32

「丁度、こんなアルバムを聴きたいと思っていたんだ…」
それがこのアルバム「フライ・ウィズ・ザ・ウインド」、リーダーは「マッコイ・タイナー」

自分の世界を広げてくれるのは、気のいいジャズファン。
そんなお客さんが推薦するアルバム、アーティスト、独自のレビューに新鮮味を感じる。
ジャズのアルバムは、昔ほどのセールス力はないけど、聴き切れない量は充実している。
新旧、良質なアルバムを探すとなると、人の見識も必要になる。
ひとりの知識なんて、「井の中の蛙」でしかないから、極めて他者の推薦も大事なことである。

複数のお客さんと出会っていなかったら、このアルバムを耳にすることはなかったであろう。
ジャズとストリングスが共演した、アーティストのアルバムは過去に何枚かは耳にしている。
ストリングス独特の幻想的なノートもいいが、激しいアプローチも聴いてみたかったところでの一枚。
76年、マッコイのアグレッシブなストリング作品があるとは思いも寄らなかった。
どことなく異質な一枚なんだけど、妥協を許さない個性の衝突に聴きごたえを覚えた。

高速で急発進するハードタッチは、キースでもチックでもなければハービーでもない。
これこそ全盛期のマッコイであり、アルバム「エンライトメント」にも通ずる迫力だ。
マッコイの影響を受けたと思えるゴンサロ・ルバルカバ、鍵盤を打楽器のように連弾するミシェル・カミロが好きなのに不思議とマッコイのリーダーアルバムには縁がなかったんだ。

ジャズを本格的に聴きはじめたときには、マッコイの親分であるコルトレーンはすでに他界していた。
そうなると精力的に日本ツアーをしていた、ロリンズに自然と興味が向くもので、そのメンバーつながりで好きなドラマーはアル・フォスターが最初となる。
マッコイとの出会いは遅かったけど、今ぐらいがちょうどいいタイミングのような気もする。

音を共有し合えるのは嬉しいことだし、たがいの刺激にもなるからね。
ヨーロッパジャズが「スコッチ」だとすると、コルトレーンの流れを汲むジャズは「バーボン」に近い。
そんなどちらの味わいにも受け止められる推薦盤 「フライ・ウィズ・ザ・ウインド」を聴きながら、ゆっくりと飲むウイスキーは格別の味になるであろう。

それぞれが開放的になり、好きを分け与えられるようになれば、ジャズの情操はどんどん伸びるんだ。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz & Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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