フランス映画 「最強のふたり」 をビデオで見た。
物語は介護を必要とする大富豪の下へ、スラム街のゴロツキが採用されてしまうところからはじまる。
介護には、心にもないおべんちゃらは必要ない。
ましてや 「人が好きだ」 「障害者のために」 なんて、安っぽい台詞を並べるものではない。
正論なのだろうが、身体が不自由な人ほど、敏感にわかるんだ。
独り善がりな正論は、ウンザリなんだと思う。
丁寧すぎる言動は、慇懃無礼にさえ感じ、逆に人を孤独にしてしまうことがある。
目を閉じて音楽に耳を澄ますと、それまで気がつかなかった、音を拾うことがあるでしょ。
盲目のピアニストに名手が多いのは、耳で見ることができるからなんだ。
ゴロツキと呼ばれた男を雇った動機をこう語った 「彼だけは、俺と対等につきあってくれる」
一緒にいれば、障害者として悲観的にならず、生きられる糧を得られる。
後ろ指を差されていた彼も同様、大切なことに気がつき 「出直す覚悟」 で生き方が変わった。
介護と言っても、人それぞれ望むべきことは違う。
「対等な態度」 が命を支えることもあるんだし、そのための二人三脚であろう。
「感動した」 だけで済ませるには、もったいない映画だ。
本当に心強いのは、こんな男なのかも知れないね。
2013年06月15日
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