行きつけの飲食店でメニューを広げて、前からあるのはわかっているが、なぜか食指が向かない。
嫌いじゃないし、関心がないわけでもない。
必ず目にはしているのだが、注文したことがない。
だけど、サイドメニューとしてはしっかりと食べている。
それこそ、縁と言うべきものであろうか。
5日、東京から単身赴任のEさんから、73年リーダーアルバム「エンライトメント」を聴かせて頂いた。
過去、コルトレーンという偉大なボスに尽くし、空間を埋め尽くす強い鍵盤の粒揃いが印象的だ。
人には、タイプがある。
リーダーアルバムで存在を示すタイプもいれば、主役を食わない端正なタイプもいる。
マッコイはどちらにも属さず、聴き手の感情にも捕われず、どこかボスの面影を追っているようだ。
アコースティックだけで、活躍の場を広げなかったことに、ある種の信念を感じてしまうんだ。
最初、取っつき難いピアノだろう。
タッチが強くて、甘みを排除したストイックさは、迎合を許さないジャズだ。
まあ、間違っても、気軽にバーのBGMで流せる部類でないことは確かである。
60〜70年代、学生運動の頃…
フーテンのような格好をして、ジャズ喫茶を拠点に過ごしていた若者が多かった時代だ。
大型のスピーカーから、大音量のジャズを聴きながら、退廃的なんだけど哲学的でもあったりしてさ…
目を閉じて聴いていると、そんなアングラな光景が浮かんでくるんだ。
しばらくは、コレばっかり聴いている。
7日、東京のNさんから、「マイケル・ブレッカー・クインテット」の映像を見せてもらった。
そのときのピアノが 「ジョーイ・カルデラッツオ」
タメを効かせてから、凄い勢いで飛び出してくると、超スピードでカリカリと高音に指が動き出すあたり。
僕の受け止め方が間違っていなければ、マッコイは後続たちにも影響を与えたのだと思えた。
ハードバップは熱心に聴いていなかったけど、どこか 「パド・パウエル」にルーツを感じる。
このあたりは十人十色だが、ジャズは個性を尊重できる音楽。
その個性にハマッたら、容易に抜け出せなくなるのが、ピアノの魅力であったりもするんだ。
このように、お客さんと互いにジャズを持ち寄った交流もあるけど、ビギナーには聴ききれないと思える、
結構「難しいアルバム」を平気で持参するんだよね… (笑)
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