日本の天才少年ドラマー、奥平真吾の生演奏をはじめて聴いた、1985年頃の印象である。
僕ら60年世代は、ロックやフュージョンの影響をまともに受けてもおかしくなかったのに、彼は伝統的なフォービートスタイルを貫いていた。
飾りを省いたシンプルなドラムセットで、あれだけ鳴らしきれるんだからね…
レギュラーグリップから叩き出す、強烈なヒットにはほれぼれしたし、スネアヘッドをとらえるスティックの角度がしっかりと決まっていた。
また、フォームもいいからビートが安定していたし、きちんと人の音にも反応していた。
本人に 「メロディーを弾くように、叩くようなときがある」 と聞くと、ピアノも弾くんだとか。
「ドラムで歌う」 とは、このことでさ。
80年代、東京と新潟の小さな箱で、主に日本人ドラマーを聴いた。
90年代、東京で世界の一流と呼ばれる海外ドラマーを目の当たりにした。
専門家ではないので正確性には欠けるが、その素晴らしさはひるまないところにある。
決められた曲を叩かせたら上手い人もいれば、自由度の高い曲で個性を発揮する人もいる。
ソロパートで頭角を表す人もいれば、繊細なブラシワークを聴かせどころにする人もいる。
つまり、4ビートならあのドラマー、8ビート、16ビートならあのドラマー。
行き着くところは好みだろうが、僕個人では即興的で瞬発力があるドラマーが好きだ。
ジャズドラムに引き寄せられたのは 「奥平真吾の存在」 は大きかったね。
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