ペトルチアーニは、「長年同じメンバーと、演り続けることは考えられない」と、口にしていた。
つまり、変化を喜びに換えていたのであり、そんな彼が呼び寄せたメンバーが、アンソニー・ジャクソン、スティーブ・ガッドであった。
その後、ライブの模様はビデオ化されたので、たっぷりと堪能できて幸運だった。
硬質なジャズファンは、ガッドの4ビートは荒削りだとの辛口意見が多いが、僕にその感覚はない。
リズムをガッチリとキープしたまま、多彩なドラミングを繰り広げながら、全てのテイクを完璧に決める。
ブラシワークも絶妙だし、僕の好みはピッチが低めの方が、安定した重量感があっていい。
スピード感やメリハリも利き、レギュラーグリップからの、スティックコントロールが抜群に柔らかい。
ペトルチアーニの気迫に応えるべく、「テイク・ザ・トレイン」なんて、アンソニーの力演に加えて、ガッドの真骨頂を引き出したベストテイクであろう。
ペトルチアーニは、今トリオをラストステージに、99年急性肺炎のため36歳の若さで他界。
彼が最後まで尊敬してやまなかったドラマー、スティーブ・ガッドの渾身のドラミングが光る。
PS.僕の愛聴盤
・「Trio In Tokyo」 / Michel Petruccani Trio (1997)
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