2011年12月23日

上田馬之助

21日、金狼レスラー・上田馬之助(71)が、呼吸不全のために急死した。

プロレスに夢中になったのは、アントニオ猪木の影響だが、ヒール(悪役)の存在もなかなかだった。
入場シーンから、竹刀やサーベル、チェーンやパイプ椅子などを振り回し、客席を所狭しと暴れまくる スポーツなんてない訳だ。
初めて、タイガー・ジェット・シンの場外乱闘を見た日には、「世の中には、こんな凶暴なおやじが野放しにされているんだな」と、口がポカーンとなったものだ。
しかも白昼堂々、新宿の伊勢丹前で買い物帰りの猪木夫婦を襲撃して、逃走するなんて、到底まともな人間がやることじゃないでしょ。(笑)

そんな別名、“インドの狂虎”の相棒を務め上げたのが、別名、“まだら狼”の上田馬之助である。
あの体型なので、得意技のコブラクローはわかるが、もうひとつの秘密兵器がこりゃまた、凶器攻撃とは恐れ入ったよ。
それってありか… 得意技が凶器攻撃だよ、凶器攻撃! 「このおやじ、何を考えてるんじゃい!」
あるときには、リングの下に釘を敷き詰めて、猪木に挑戦して、自分が釘の上に落ちちゃったという失態を見せつけられたときには、「このおっさん、酔っ払っているんかい!」と思ったほどだった。
この凶悪タッグはプロレス界を盛り上げただけでなく、その後に多くのヒールを生み出したが、やっぱり元祖は元祖である。

しかし、いくら仕事とはいえ、まだプロレスの内幕が、カミングアウトされていない時代だ。
憎まれることがヒール冥利なだけに、公私で心ないファンから嫌がらせを受けたらしいが、それでこその上田馬之助だったと思う。
繁華街を歩くときは、酔って絡んでくる奴を蹴散らすため、いつも新聞紙を丸めていたとも聞くが、覚悟がなきゃできない役割だ。

上田馬之助の悪役人生をモチーフとして、描かれたと思える短編小説が、「お父さんのバックドロップ」 (中島らも)であり、悪役レスラーの素顔と葛藤に触れると思うので、参考までに紹介しておきたい。
漫画の世界であれば、「1.2の三四郎」(小林まこと)で、見事に風ぼうが模写されている。

96年の自動車事故から、寝たきり生活だったが、またひとり、昭和の古典レスラーが逝ってしまった。
上田馬之助は、僕らプロレス小僧だったおやじの心に、いつまでも竹刀を振り回して生きているのだ!
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Sports Fan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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