出会いは、店主とお客の関係。
最初の印象は、チンピラ風に見えたが、実は寂しがり屋な男だった。
彼の人生、波乱万丈だった。
25日 夕方、某病院の受付窓口で、看護師さんの言葉を聞いて、呆然と立ち尽くした。
「 昨日の午後3時に、お亡くなりになりました 」
涙は出なかったが、乾いたスポンジが水を吸収するように、涙が心にしみていった。
こんな気持ち、生まれて初めてである。
最後に会ったのは、今年二月、彼の46歳の誕生日を、某病院の病室で二人静かに祝った。
その後、病状の進行もあり、転院と自宅療養を繰り返しているうちに、連絡が途絶えた。
誰にも、病状を明かさずに、病床を見られたくない、心中を察したつもりだが。
しかし、僕の気持ちが、何かに導かれるかのように、病院を探して、彼に会いに出かけさせた。
彼の屈託ない笑顔、楽しそうにお酒をたしなむ姿、時折寂しげにうつむく横顔。
全ては、心の中で輝いているし、絶対に彼のことは忘れないだろう。
僅か2年半だったが、純粋に向き合ったから、悔いなき友人のまま、別れたと思っている。
ああ、くそ、視界が涙に覆われてきた‥ でも、絶対に泣かんぞ。
相方が言うには、「あなたがいつも、“ あいつ、元気にしてるかな ”と、気にかけているのを感じていたから、“ 俺はもう、この世にいないよ ”ということを、あなただけに伝えておきたかったんじゃないの。 だから今日、あなたを病院に導いたのが、あの人の優しさだったのよ‥」
そうだとしたら、おまえは最期まで、死に際を見せなかった、へたれな硬派でいい奴だったよ。
よっちゃん・・ さよなら ありがとう バイバイ 最後は魂だ !
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