2011年07月20日

オールド・クロウ

小さな音量で、原田芳雄のCD 「Just Some Blues」を流しながら、キーボードを叩いている。

3週間前、何の前触れか、Nさんから頂いたCDであり、遅ればせながら、彼の歌声を初めて聴いた。
19日、俳優でブルースシンガーでもある、原田芳雄が大腸がんのため、71歳でその生涯を終えた。
正直、俳優でも、シンガーとしても興味がなかった。 と言うよりも、縁がなかっただけのことだ。
それでもひとつだけ、気になっていたことがあった。

僕が好きだった俳優、松田優作が「アニキ」として唯一、慕っていた人物だったことである。
松田優作は人間的に気難しく、付き合いは大変だったと聞く。
憧れの相手に対しては、のめり込み方が尋常ではないが、相手に冷めたときには、極端に豹変した態度を見せたともいう。
彼は俳優、原田芳雄の後ろ姿を追いかけ、その後のロックブルースまで、追従したのは逸話だ。
そんな松田は、原田に憧れていた反面、原田の持つ男のオーラに、歪んだ嫉妬心を抱くようになったとも言われていたが、その真相はわからない。
だが、89年に松田が膀胱がんで亡くなった通夜、原田がアニキ分として弔辞を読み上げたという。
これで、はっきりしたと思う。 
原田は、松田の自分に対する嫉妬心を、別に何とも思っていなかったのだ。
その器量の大きさは、伝わってくると思わないか。
やっぱり最後まで、原田芳雄は、松田優作の「アニキ」だったんだ。

ふたりの出会いには、こんなエピソードがある。
松田が新人の頃、ある女優に頼み込んで、原田に引き合わせてもらった。
そのとき、原田はバーボンを飲みながら、「こいつ(松田)とは、長いつきあいになる」と思ったらしい。  
そして、またひとり、「バーボンが似合う男」が姿を消した。

ふたりが飲んだラベルは、「オールド・クロウ」。  バックバーに1本用意してある…
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック