2011年07月18日

Jazz Talk Vol.5

新潟はジャズに限らず、音楽を大切にしている街である。

今や「新潟ジャズストリート」は、年二回のイベントとして、すっかり定着しているように思える。
感覚的だが、会場や出演者、観客層も年々と広がりを見せているようだ。
そんな願いはただひとつ、継続してもらいたいこと。

現在、音楽は手軽に氾濫しており、特に若者は音楽に飢えた経験は少ないと思う。
時代を引き合いに出せば、ジャズ喫茶で高価なレコードの音源に耳を澄ませたり、小さな箱(ライブハウス)の前列で、神経を研ぎ澄まして聴いていた、あの頃の青春時代が懐かしい。
そんな僕なりに経験した、箱の思い出を少し、【短編風】に書いてみたい。

このグループなら、立ち見も覚悟しなきゃいけないな…
開演時間が少し押した頃、店内の照明が暗くなり、タバコの煙が立ち込めたステージに、数本のダウンライトが浮かび上がる。
客席後方から出てきたメンバーは、一様に緊張した表情で楽器を手にする。
静まりかえった空気は、今から始まるオープニングナンバーに、期待が注がれていることがわかる。
挨拶代わりの息が合ったテーマを終えると、ここからがフリーフォームとなる。
ピアノの指が右に左に、鍵盤上をせわしなく動き回る。
ドラムが右手でレガートしながら、左手でスネアを叩き鳴らし、右足でシンコペーションを踏み鳴らす。
スネア、タムタム、フロアタムの素早い回し打ちの後、トップシンバルの一発に触発されて、サックスが飛び込んで来た。
半音づつ上げながら、ノンブレス奏法で最高音まで登り詰めてくると、ドライブ感も一気に倍化した。
それでも遠慮会釈なしに、スネアの連打から、トップシンバル、サイドシンバルを、「これでもか!」というぐらい打ち鳴らして、強烈にメンバーを煽りまくる。
そして、最後はテーマを2回繰り返し、トップシンバルを引っ叩き、半オープンにしたハイハットを打ち鳴らして、メンバー全員がピシャリと締め括る。
その瞬間、観客の歓声と重低音のタメ息が、会場全体を大きく支配した。

僕なりの臨場感にはなるが、こういう多くの瞬間に立ち会ってきた。
音楽(生演奏)は、瞬間のリアルさが貴重で、だからこそ儚いと思える。
もちろん、それは人に聴かせるものであり、練習の裏づけがあってのことだが、そのへんは聴けば大概はわかるものである。
愛情を持って言えば、上手い下手よりも、「緊張感の全くないジャズは廃れる」と思う。

僕は、ジャズのそんな緊張感も楽しみであり、やっぱり病みつきになっているんだ。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz & Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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