市長選挙の投票をした帰り道、住宅街を歩いていたら、風に乗って落ち葉焚きの匂いがしてきた。
どこか懐かしさを思い浮かべながら、冬と交わる秋の匂いに師走を感じさせられた。
もうそろそろ、「今年もあと何週間だね…」なんて、会話がポツポツと飛び交ってくると思われる。
特に中高年になると、四季の風景には慣れているものの、年齢の衰えを少しずつ自覚してくる。
加えて親の老化や子供の成長など、周辺環境が映し鏡となるから、よけいに早く感じてしまう。
それはまるで、季節外れのセミが、「早いね…」「早いな…」と、去り行く今年を惜しんでいるかのようにも聞こえなくはない。
それはそれでいい。 だって、こうやって、互いの人生観を無意識にささえ合っているんだからね。
今年も一ヵ月半の間で、旧知の仲や初対面構わず、何回「早いね」と理屈抜きの挨拶を交わすのかな。
それは落ち葉焚きの匂いを嗅いだ頃、解禁となる中高年の言葉のような気がした。
2010年11月14日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック