27日 恥ずかしながら、ベッドで寝返りを打ったら、そのまま転げ落ちて目覚めた午後1時。
くるぶしの痛みを引きずり、リビングの扉を開けた。
すると、妻が 「ねえねえ、女優の竹内結子が自殺したんだって」 と声高に言う。
近頃、有名人が立て続けに、自らの命を絶っている。
一部では、コロナ鬱と囁かれているが、その理由は本人にしかわからないもの。
ひと口に自殺といっても、いろんな動機の中で、お金に困るような人たちでないだけにおもんぱかる。
もう一つ、どんなにお金に苦しめられても、お金そのものに殺されることはないわけだ。
無責任に死んでいくことが、残された人にどれほどの苦しみを与えるか。
この世から、急に去ってしまえば 「自分を本当に思ってくれていた人」 を知ることもできない。
シェービングクリームで髭を剃りながら、そんなことをぼんやりと考えていた。
午後4時過ぎ、ぐずついた天気の下、散歩と買い物を兼ねて外出。
柳都大橋から、カーフェリーの遠景を追い、穏やかな川の流れを見ながら歩く。
休日に立ち寄る喫茶店で、ブルーマウンテンを口にし、本町で買い物をして、万代で書籍を三冊購入。
私生活の夜がなかったら、きっと心が渇いてしまうだろう。
萬代橋から、見渡せるホテルの窓辺は、宿泊客で日毎に灯ってきた様子がうかがえる。
まだ、点在した窓灯りだが、経済も回復させていかないと、いよいよ大変なことになってしまう。
目に映るホテルに勤務するお客さんを知るし、僕の生業にも影響を及ぼすため、自然と気にかかる。
安全地帯で生きられ、補償のある生活できれいごとを言っている人に、この視座はわかるであろうか。
すべては覚悟から始まるからね。