今日30日で、暦は半年が経った。
こんなに印象が残らない、半年間の早い時の流れは初めて。
その見え方、印象にない部分が影となり、立体的でなく、平面的のような記憶。
ムダな半年ではなかったが、生活に 「プロセス」 を感じなかったんだ。
若いころ、各駅停車の鈍行列車に乗り、村上の先の新潟と山形の県境まで、気まぐれ旅へ出かけた。
新潟市街を離れるにつれ、建物は低くなり、田畑は広がり、澄んだ日本海が表れ、風の匂いも変わる。
田舎へ行くほど、乗客は少なくなり、革靴の音も消え、標準語が消えゆく。
そのうち、のんびりとした空気の中、泥を運ぶ長靴で床が汚され、土地の方言が聞こえるようになる。
それが特急列車なら、始発から終点まで、新潟市街と似た車内の光景が、漫然と続いたであろう。
あえて鈍行列車に乗ったから、見えた光景があったわけで、そうでなければ車内の光景に (プロセス) 触れることはなかったと思える。
これからの人生、特急列車に乗ることもないが 「各駅停車」 で、ゆっくりと四季を感じて、時の流れを賞味したいもの。
以前、コロナ休業に 「時間泥棒された」 と書いたが、半年振り返れば 「季節泥棒された」 というか。
残り半年 「ウィズ・コロナ」 の収束を願いつつ、各駅停車で 「季節の風景」 を感じていきたいね。