2019年09月12日

大要劇場

新潟の下町にある、成人映画館 「大要劇場」 が、8月末で閉館した。

新聞で知る以前、風の便りで耳にはしていたが、営業年数が55年というから、成人映画としての時代の役割は終わるべきして、終わったような気がする。

最盛期、劇場の入口では、ピンクの艶めかしい肌をあらわにした淫らなお姉さんたちが、男性を手招きするかのように、淫乱なポーズとキャッチコピーが描かれた、エロチックなポスターが連貼りされていた。
性体験はおろか、性知識もない少年たちは、その横を通るたび、拝むような姿勢で股間を熱くしていた。
あの館内で 「どんな妖しい映画が上映されてるのか」 何度も自転車で行ったり来たりしては、妄想が妄想をふくらませ、大人の世界をイメージしていた。

おかしかったのは 「附船町行き」 のバスに乗ると、劇場前交差点の信号で停車したとき。
進行方向の左側には、先ほどのエロポスターが人目を引き、車内が一瞬だけ静まり返るんだ。
その沈黙にバツが悪くなるのか、女性客は下を向き、親子連れはムリに会話をはじめたり、妙な空気に包まれる中 「左窓は男、右窓は女」 という具合に、座席と吊革には、暗黙の位置取りがあった。

そんな劇場を曖昧にしておくのも、下町の支え合いだった。
それを有害だ下品だ、子どもの教育上という人ほど、子どもに具体的なことを教えられない。
見せないことが教育で、興味を封じこめた 「不自由な正論」 で、フタをするのが教育じゃない。

世の中、単純に白黒をつけられないが、ほとんどは 「グレーゾーン」 と言ってもいいだろう。
その適応がわからないと、融通のきかない子どもとなり、曖昧さがあるからこそ、人間らしさでさ。
今は、ボタン操作だけで知識は得られるが、世間との接触を拒むから、肝心な心が育たないんだよ。

そんな 「エロ映画館」 は、少年の性教育と自立を早めた 「踏み絵」 だったんじゃ、バンザーイ 😃

posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする