8月も終わりに近づき、20〜30代のお客さんから 「夏の思い出」 を聞く機会も少なくなかった。
当店の場所柄、県外出身者、単身赴任、一人暮らしも多く、若い子なら、少しはホームシックになろう。
僕の年齢になると、思わず 「実家に帰ったか」 と、老婆心なることをいう。
通った道ほど、親心が出るのだろう。
実家というのは、いつでも帰れる場所だが、いずれだれもいなくなる 「消えゆく場所」 でもある。
どんなに仲よく連れ添った両親も、やがていなくなってしまうときが来る。
背中が丸まった、親の背中を見ながら、帰省したときは少しでも、長く過ごすようになる。
親との年齢差にもよろうが、家族にしかわからない事情もあるだろう。
だが、実家の親が健在で 「育った家の玄関の匂い」 を嗅げるうちは、幸せだと思うもん。
「たまには、顔を見せに帰りなよ」 というのは、実家がなくなった年の功であってさ。
http://jazzbar-gig.seesaa.net/article/461016110.html ( 都会の盆 )