2018年10月15日

生みの親

母が入院している病院へ、夫婦で見舞いに出かけた。

一昨年亡くなった父とは、30年ほど前に正式離婚し、今は違う人と暮らしている。
再婚してからは、一度も父と会うことはなく、ボクとはほどよい距離を置いていた。
そんな母だが、今日15日に病室で 「77歳の誕生日」 をむかえた。

離婚後、何度か入退院を繰り返したのは、後で知ることになる。
こうして面会に出かけたのは、今回がはじめてではあるが、過去に妻が入院しているときも、さりげなく見守り、時には付き添い、おちこんでいる気持ちを緩和してくれた。

面会中、二人暮らしの再婚者から、母のガラケーに何度も連絡が入る。
そのたびに 「あれはどこだ」 「あったあった」 と、他愛ない会話を交わしている。
このやりとりを耳にしながら、仲睦まじき変わらぬ姿に 「再婚の絆」 を感じ 「母には、母の幸せ」 があることも、今では理解している。

わが家は、それなりにささやかな幸せを保っていた家庭だったが、いつしか両親の気持ちが食い違い、いづれ家庭という支えも薄らぎ、同じ屋根の下に暮らしていても、それぞれが同じものを見なくなった。
母はいつか帰ってくるだろうと、兄弟で期待こそしたが結局は叶わず、家庭が静かに割れていく予感はありながら、両親の事情には口出しできず、感情にしこりが残った。

あれから、30年あまり。
病室で安静に過ごしている母の姿を見ながら、ずいぶん体が小さくなったことに時の流れを感じた。
初めて、こんな気持ちにさせられた。

「俺、この人から、生まれたんだ・・・」  実感で知る不思議な感覚に包まれた。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする