2018年04月22日

待ち合せ

女性はひとつひとつの場面を、別々な目でとらえる力があるようだ。

25歳のとき、休日の 「新宿アルタ前」 で、女友達と午後7時に待ち合わせた。
しかし、所用が長引いた上、小田急線のダイヤが乱れて、夜9時近くに到着した。
「いないだろうな」 と思いながら、新宿東口の階段を二足飛びでかけあがり、横断歩道を走り抜けると、彼女はぼんやりと壁にもたれかかり待っていた。

ケータイ電話のない時代、こういう不測の配慮を欠いて、二時間も待たせたことを詫びると、意外にも 「いろんな人を見ていたから、退屈しなかったよ」 と、その表情に遅れたあてつけはなかった。
その間、たばこを何本もふかして待つ男、ソワソワして待つ女、学生コンパの集団、若い女性をスカウトしているホスト風、変なおじさんの奇行を見て時間を潰していたという。

そんなアルタ前から、周辺の人たちがひとり、またひとりとネオン街へ消えて行き、彼女だけがポツンと、夜9時の新宿に取り残されていた。
普通は待ち合せの時間に遅れたり、すっぽかされたりしたら、怒ったり冷めたりするはずだが、最初に 「何かあったのかな」 と思えることは、男女問わずに友人としての愛着なんだろうね。

都会の喧騒で、彼女はひとりで生きて、ひとりの時間の大切さをわかっている。
待ち合わせの時間は、自分の時間でもあり、相手の時間であることもね。

「ホッとした時間」 をプレゼントしてもらったようで、うれしかった記憶がある。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Diary & Social | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする