2018年03月04日

生命の水

三寒四温、春はまだ来ない。

某店でスコッチウイスキーを2本購入した。

1本は、週末に空となった、アイランズモルト 「スキャパ」
もう1本は、入荷未定だったはずのキャンベルタウンのモルト 「スプリングバンク」
春を前に、後者は甘い香りが女性向きなので、常にバックバーに置いておきたい逸品。

ウイスキーの価格が、べらぼうに高くなった。

スコットランドが統一通貨 「ユーロ」 から脱退したり、ウイスキーの味を覚えた中国が買い占めたり、ネットの転売目的はおろか、その理由は複数ある。
また、ステータスで揃えたがる人もいて、純粋にウイスキーが好きな人の喉元を通りにくくなっている。

さかのぼれば、NHKの連続テレビ小説 「マッサン」 ブームで、バーは悪い形で影響を受けた。
過熱したウイスキーブームを見て 「ちょっとまずいな」 と思ったのは、ああいう形で流行が一気に浸透すると、必ず揺り戻しが来るということ。

当時の国産ウイスキー 「竹鶴」 は、小売価格二千円もしなかった良心的なボトルだったのに、今では三千円近いし、シングルモルトのモノによっては、千円以上の値上げはザラだからね。
地道にウイスキーを愛している人間からすれば、ブームは迷惑以外の何者でもないこともあるんだ。

そんな 「ウイスキー党」 からすれば、アイスクリームやジュースの小額の値上げどころの話ではなく 「ウイスキー文化を潰すのか」 と危惧する声も上がるだろうし、庶民の楽しみが 「高嶺の花」 になってしまうことの方が、世知辛くなってしまう。

振り返れば、シンジケートのようなウイスキー党が夜に集い、会話の邪魔をしないジャズを聴きながら、ヒソヒソと談笑を交わす、大人ならではの雰囲気が少なくなった。

だが、この時代だから、ハッキリとわかることがある。
価格が高騰している今、ウイスキーを愛飲している人こそ 「真のウイスキー党」 ではないか。

価格の変動やブームに反応し、飲み放題に含まれる酒類、他のアルコールに口を移すのもいいけど、趣向や座持ちを変え過ぎるのも 「ダンディズム」 に欠けるようで、その優柔不断さがカッコ悪いよな。

男 30歳にもなれば、バーで緊張し、社会に溶けこむ努力をしている。
男 40歳ともなれば、バーで談笑し、ひとりで飲めるまで成長している。
男 50歳も過ぎれば、バーで社交し、その姿は大人の色気をただよわせている。
男 60歳を越えれば、バーで寡黙に、その姿はうらやましいほど芸術的となる。

ウイスキーの語源は、ゲール語で 「生命の水」 という。

posted by GIG at 00:00| Comment(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする