平昌五輪の選手団が帰国し、連日多くのインタビュー取材を目にする。
「メダルを獲った、これからの人生を大切にして生きたい」
女子スピードスケート 金メダリスト 「小平奈緒」 のコメントが印象に残った。
まばゆい光を浴びると、アイドルばりの意識となり、後の人生に影響するという。
ほとんど本分に戻るが、プロアマ問わず、名声に崩れるアスリートもいるようだ。
スポーツも社会の縮図で、技能としてのメダリストではあるが、人物評価のメダリストではない。
選手には税金が投じられて、企業が受け皿のうちならいいが、名誉にうつつを抜かすと普通の暮らしが屈辱となり、社会的な判断もままならず、消える選手もいる。
日本人は、ひとつの空気にまとまりやすい。
今の脚光に群がるが、次の脚光が来ると、それまでの脚光に見向きもしなくなる閉塞性がある。
彼女は選手の団長として 「これからは名誉市民とし、尊敬されて生きるようになる」 ことを、やんわりと他の選手に教えてあげた、強くて優しいお姉さんのように思えた。