「下駄を鳴らして、やつが来る」 からはじまる、昭和50年の名曲 「我が良き友よ」
1日 歌手 「かまやつひろし」 が、78歳で死去した。
当時、フォークソング全盛期。
街中、初恋や恋愛を歌い上げた、甘い歌詞が多く流れていた。
時代は喫茶店がカフェ、学校がキャンパスに変わり、若者は四六時中 「いかにして女の子にモテるか」しか、頭に描けなくなってきたころ、昭和の古典を歌い上げた 「硬派」 な名曲である。
その男は一見、硬派であるが、実はウブの裏返しで、時に子どもを相手に人の道を説くもの、たまには女郎屋にも出入りする、青春貧乏というか、どこか憎めない男。
しかも 「バンカラ道」 に、小さなこだわりをもち続け、良くも悪くも慕われる男。
この歌、ストーリー性の歌詞が共感を呼び、商業主義の枠内から、飛び出しているのが魅力なんだ。
今は、味わいのある歌詞は少ないが、ペンだけを走らせているころは、人の気持ちが 「言霊」 として、伝わった気がするし、それは文学にも同じことが言えるんじゃないかな。
そんな 「我が良き友よ」 に描かれている男は、腹を割って話ができる友人のようである。
男の友情は 「アイツらしいな」 と思える、わかりやすさにある気がするけどね。