2017年03月03日

花束の行方

三寒四温が続いている。

先週の開店記念日に頂いた、花の名前を言えるほどの博識はないが、店で花に水分を与えることが、今の日課になっている。

もう時効であるが、店で実際にあった、花にまつわるエピソードを思い起こしてみたい。

6年ほど前、少し肌寒い、4月の平日だったと思う。
カウンターには、40代のカップルが、大人の雰囲気を漂わせながら、静かに飲んでいた。
二人は次第に、酔いと高揚した気分に後押しされ、時刻は午前0時を回ってしまった。

ここまでは、よくあること。
男性客は、ボクと気軽に談笑できる関係だが、女性客は今夜が初めてお見かけする顔だった。
どういう日かは、わかっていたので、お酒を用意して、あとはそっと離れるのが、大人の世界。

その日、女性の誕生日らしく、食事を終えた2軒目の店となる。
花束を手にしていたから、ピンとは来た。
それも持ち歩けるように、量を加減したシンプルな花束だから、そのままカウンターに置いてもらった。

二人の関係は浅いと思われ、まだ探り合いの感じだが、男が女に好意を寄せているのはわかった。
会話はなじんでいるものの、女性にあまりその気がないことは、遠目にも感じとれた。
別方向というので、タクシーを2台手配して、先に来た車で女性は帰ったのだが、男性はもう少し飲んでいたいと言い、2台目をキャンセルしてくれないかと頼まれた。

ボクも少し目を離した隙ながら、カウンターには、男性からプレゼントされた花束が、そのままの形で 「ポツン」 と置き残されていた。
内心 「失礼だなあ‥」 と思いながら、どうやら花を受け取らなかったことが、ノーのサインだったらしく、男性から 「その花、いらないから、店で飾っておいてよ」 と言われ、一週間ほどもたせたことがある。

長く人を見ていると、いろんな夜があるけど、花にまつわる印象に残った出来事だった。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする