5日 正午近く 上空の飛行機の振音を耳にしながら、ぼんやりと目が覚めてきた。
週末を終えた、休日の心地よい疲れはありながら、気分はリラックスしている。
遮光カーテンを開けて、灰色の空模様を見るまでもなく、手元のベッドスタンドをつけて、読みかけの 文庫本を開くもの、まだ字がかすんで見えるので、反射的に背表紙を閉じた。
そのまま全身の力を抜き、しばらく目を閉じていたら、今度は違う方向から飛行してきたと思われる、 高周波が通過したあとの低周波を感じながら、知らず知らずのうちに、浅い眠りについていた。
夕方、5時30分に手配したタクシーで、親戚縁者のお通夜に参列。
型を考えるとき、葬儀を軽んじてはいけないと思う。
そこには、自分の生き方が、投影されているからだ。
親族の涙の中、焼香とご家族に一礼、長幼の序を済ませ、通夜振る舞いは理由があって遠慮した。
場所を古町に移して、妻と食事をしながら、自身の生い立ちと家系図を解きほぐした。