2016年11月19日

映画雑記

今年はとりわけて、日本の 「サスペンス系」 がおもしろかった。

中でも 「ロクヨン」 「クリーパー」 「ミュージアム」 は力作だったし、今までにない 「シンゴジラ」 は、大人も存分に楽しめた。

現在、アニメだけでなく 「日本映画がおもしろくなった」 といわれて、だいぶ久しい。
ひと頃、名作もあった反面、独りよがりな作風、自分に正直じゃない作品もあり、エンドロールを見ながら 「何を伝えたかったのかな」 「縛られてるなあ」 と、首をかしげたくなる映画もあった。

今は監督や脚本、俳優や裏方も、ひとりの強い個性 (アク) が少ない分、それぞれのエキスパートが風通しのいい環境で、持ち味を結集できている感じを受ける。

昔の撮影現場は、監督なら 「黒澤 明」 「大島 渚」  俳優なら 「三船敏郎」 「松田優作」  などに代表される、個性の強さが一触即発な緊張感を落とし、時として修羅場な雰囲気もあったらしく、それがまた、いい方にも、そうでない方にも、影響を及ぼしていたと思える。

もう、スターという職業が、独り歩きするような時代ではない。
それこそ 「美空ひばり」 「石原裕次郎」 のように、話しかけにくい雰囲気のある大スターはいないし、有名人を街角で見かけても、違和感のないのが、アイドルだったりする。

そう、気負いのない時代なんだ。
そういう、気負いのない環境が、映画作りに湿り気をあたえているから、全体が器用になっている。

松田優作は、アクション俳優としての印象が強く、それに悩んでいたという。
ニューヨークでロケを敢行した映画 「人間の証明」 では、アメリカの共演者から 「彼は本当に日本で有名な俳優なのか‥ 一つの演技しかできないのでは」 と酷評され 「野獣死すべし」 を休止符にしてしばらくアクションから、遠ざかった時期があった。

10年後、ハリウッド映画 「ブラックレイン」 のオーディションに受かったとき、逆に監督のほうから  「アクションシーンもあるが、できるか」 聞かれたとき、それまでのイメージをもたれていなかったことに、うれしく感じたというから、スペシャリストであり、目指すはオールマイティーだったのだろう。

昔の俳優は、演技はせまいけど、深みがあった気がする。
今の俳優は、演技が広く、さまざまな役を器用にこなせるが、全員が浅瀬の領域にいる感じもする。
イメージながら、演技の広さでいえば、映画 「ミュージアム」 で、カエル男を演じた 「妻夫木 聡」 は 「カメレオンばりの変幻自在な現代俳優」 だと感じた。

今年最後の映画は、トム・クルーズ主演 「ジャック・リーチャー」 にしようかな。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Cinema Fan | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする