寝覚めのアイスコーヒーを飲もうと冷蔵庫を開けたら、わが家の食材はすっかり空っぽになっていた。
火曜日は近くのスーパーが特売日なので、夕方には新しい食材で冷蔵庫が詰まることになる。
最近、あらためて気づいたのだが、買い物をしているときの主婦は 「思案顔」 であること。
カートを押したり、カゴを用いたりして、手元のメモ用紙に準じて、商品を選んでいく。
きっと頭の中では、豚肉+人参+玉ねぎ+ジャガイモ= 「カレー」 のような方程式が 「日替献立」 になっていて、瞬時に組み合わさっているんだと思う。
思わず見てると、口元でブツブツと独り言をつぶやいていたり、迷っているのか口を半開きにしながら、眼光だけは鋭く、棚の食材に熱視線をおくっているので、怖くて近寄れないからね。
鶏のささみ、ブロッコリー、キュウリに海藻など‥ 「おいおい、ダイエット料理かい!」 とかさ。
主婦にとって、スーパーはファンシーとは縁遠く、ノーメイク (思案顔) の真剣勝負な場所である。
それに引き換え、男の買い物は 「出来合い商品」 ばかりで、コレとコレを合わせて、味付けはコレで という具合に、あまり段取り的には考えていないんだ。
カゴに商品をバッサ、バッサって感じで、袋をやぶればすぐに食べれるような大雑把なモノばかり。
それに、男は体が大きい分、フロアーをまごまご歩いていると、周囲からじゃまあつかいされるから、スーパーでの男はアウェイというか、やっぱり主婦の聖域なんだよな。
ここでは、若くてかわいい女の子も、主婦のパワーに圧倒され、こっぱみじんに小娘あつかいされる。
ボクもスーパーでは、できるだけ目立たないように買い物をしているし、レジもやさしそうな人の列に 並ぶようにして、半分おびえながら、主婦の聖域をかいくぐっている日々である。
今日の献立は何かな‥ もしかして材料を買い忘れたとかで、自転車で買ってきてと言われるかな‥