年々、中高年の男は、髪に悩まされることになる。
抜け毛とともに、育毛剤に目が向くようになるが、効果のほどはわからない。
だいたい 「当社比」 ってのが、怪しいんだ。
よく言われる 「やらないよりも、やったほうがまし」 である。
それで 「今やめたら、もったいない」 と前置きされ、次に言われることは 「合う合わないは、個人差もある」 が待ち受けている。
さらに、ささやかれることは 「もっといい薬がある‥ これだ!」 (新製品) を紹介され 「今なら、この価格で」 または 「あなただけに耳よりの情報」 が、殺し文句となる。
そこで、ためらっていると 「チャンスを逃すことになる」 と 「今!」 を強調される。
人間の欲望は、こういう 「心理スパイラル」 がおきるようにできているんだ。
さんざん苦悩したあげく 「なくなっちまった」 なんていう人もいた。
そういうボクも、指の腹で頭皮をマッサージしているんだから、気になっている証拠ではあるがね‥
ある日の夕方のニュースで、画期的な育毛効果がマウスで実証され、その実験結果が発表された。
それを人間に代用すると、自分の後頭部や側面部の皮膚細胞を、前頭部や頭頂部に移植することで、頭皮全体がバランスよく発毛するらしい。
この話、もう何年も前から、美容室の店主から耳にしていたのだが、まだ実用化にふみきれないのが 現状ながら、ついに10年先を目処に解禁されるんだとか。
10年先か‥ 待てよ、オレ‥ 61歳かよ、 もういいや!