2016年02月08日

SHINJUKU PIT-INN 50th

新宿ピットイン50周年を記念して 「新宿ピットインの50年」 と題した書籍が出版された。

主にインタビュー編集で、オーナーとミュージシャンの対談で占められており 「エルビン・ジョーンズ」の回想記事がお店の歴史を彩っていた。
また、出演者の略史年表において、いかに多くのミュージシャンが育ったジャズの殿堂であるか、あらためて思い知らされるし、本編、時代の役割を終えて閉店した 「六本木ピットイン」 にも触れているから、4ビート (ジャズ) 志向の新宿と、8ビート (フュージョン) 志向の六本木の互換性も楽しめる。
まあ、本を読んだ感想ではないので、早速、ボクの 「新宿ピットイン」 を語るとする。

ひとりのファンとして、85年から98年の間、新宿通りに面した新宿伊勢丹の裏通りの地下にあったころから、新宿二丁目に移転した、二店舗の雰囲気を知る。
97年、新宿厚生年金会館で行われた30周年記念では、出演者をたずねて楽屋に入らせてもらった。
あのとき、日本の名だたる出演者の中に、海外から招かれたエルビンをはじめ 「エリック・リード」  あっそうだ 「ウェントン・マルサリス」 もいた。
ベースの鈴木良雄さんは、エルビンのグループのベーシスト愛用のウッドベースに専門的な質問をしてたり、バックステージではさながら 「スクール・オブ・ジャズ」 の様相だった。
おたがいファン同士で、一堂が介する豪華絢爛な雰囲気に、わずかながらいたんだよな。

4ビートを聴くには大ホールもいいが、臨場的にドラムのパルスが伝わるハコの方が好きだ。
ステージと客席の距離が近いほど、真剣勝負のような切迫感が素晴らしい演奏に駆り立てられる。
ボク自身、好奇心旺盛にして集中型なので、音を考える暇もなく、頭が真空状態になれるときがいい。
それに楽曲や楽器のファンにはならず、それぞれの色彩を放つ、ミュージシャンのファンになるタイプ。

出演者をキライと思ったことはないんだ。
あくまでもテイストの違いであるから、聴いたから好き、聴かなかったからキライ、ということじゃない。
音楽に対するこだわりの強さは想定するも、メディアを通して知るイメージと、実際に会ってみるとでは、その印象は決して同じであるとは言い切れないけどね (笑)

良心的なミュージックチャージで、聴く耳を鍛えられた、新宿ピットインを抜きに語れない。
昼の部に出演していた同世代は、その後も夜の部にとどまらず、日本の手練にまで成長したんだから、それまで時系列はルーツそのもの。 (朝の部もあったなあ)
そんな書籍の中で、最も印象に残っていることは、多くの出演者が 「ピットインの客は耳が肥えているから、やぼな演奏は通用しない緊張感がある」 と口を揃えていたこと。
ステージと客席に緊張感がないと、いい演奏は生まれないからね。

「ジャズバーの店主」 として、あえてこだわりを言わないのもポリシー。
アナログでもデジタルでもなく、ライヴをするスペースもないが、ジャズだけに限らず、新宿の街のように 雑然とした個性を持ち寄り 「去る者は追わず、来る者は拒まず」 のスタンス。

ゆるいジャズでつながりをもてる 「庶民的な店」 でいいと思っている。



1985年 新宿ピットイン 20周年記念コンサート 
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Jazz & Music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする