2015年10月16日

品位と禁忌

来年の干支は、申 (さる) か…  今年も自宅に早くも 「年賀状印刷」 の案内書が届いた。

幸いなことに、これまで年賀状を出せなかった年はなかったが、これからは毎年同じように出せるとは   限らない年回りになっている。

例年、迷いが生じるところだが、お店 (個人事業主) としての年賀状 (挨拶状) はどうするか。
職業上、企業の方々の名刺は、自然と手にすることが多い。

バーやスナックは、食事をする場所とは一線を画し、中高年の 「隠れ家」 ニーズを含んでいる。

仮に、企業の役職に宛てたとしても、総務部が仕分けして各部へ配られるので、個人宛にはならない。
期限が切れた名刺もあれば、宛名不在もあるはずで、転勤は世の常。

バーは、仕事で疲れた心と体を休める場所でもあるから 「あの店で飲んでいるのか…」 など、あまり外部の人には知られたくない、デリケートな心理が働いている。

だからと言って、メールでご挨拶など特別な距離でない限り、軽々しくてためらいもある。
そうすると受身になるが、扉を開けていただいたときが 「時節のご挨拶」 でいいかなと思ってしまう。

それでも毎年、名刺を交換する所作は、少なくなっている。
もしかすると、名刺交換は 「消えゆく文化」 のひとつかも知れない。

職業上、本音を言えば、身元のハッキリしない人の前では、あまりうかつなことは語れない。
ボクは逃げも隠れもできないが、バーカウンターには、マナー (品位) と タブー (禁忌) がある。

そんな思いをめぐらすと、お名前を知らされるということは、胸襟を広げてくれた証でもある。
きっかけができれば、ボクもそこそこ安心するし、名刺はその時々の身分証明証代わりとなる。

対面商売、オープンにはオープン、クローズにはクローズ、オープンとクローズが交わることはない。
よほどのことがない限り、人に障壁を作ることはしないが、お顔が名刺代わりのお客さまも多くなった。

まあ、ご来店が挨拶代わりとなり、ちょっとした頼まれごとに協力したりするなど、マスターとお客さんは惰性でつきあっているとしか思えない仲でも、意外と不思議に信頼関係ができていたりするんだよね。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする