2015年06月22日

Real Face Book

バーテンダーの仕事を説明するまでもないが、直訳すれば 「酒場の番人」 にも受け取れる。

心構えの部分では 「Q・S・C・A」 (クオリティー サービス クレンリネス アトモスフィア) なんて  言葉、サービス業に従事した人であれば、一度は導入教育された経験はあると思える。
それらを統合したのが 「V」 (バリュー) とかさ。
大手飲食店チェーンなど、確たる教育知識ではあるが、スキルは経営規模でニュアンスは変わる。

バー (酒場) では、テンダー (番人) と ゲスト (お客さん) が、カウンター (間仕切り板) 一枚で対面するから、必然的に 「対人力」 が求められる空間になる。
たがいの正論もあれば、それぞれの相性もあるから、対価だけで割り切れる世界ではない。

その人の性格や言動、背景や哲学まで、人となりがわかる空間だから、少し青二才は浮いてしまう。
だけどガキであれ、バーでは 「大人あつかい」 することが、最大の礼儀だと思っている。
大人あつかいすれば、大人になってくれるんだから、少なくてもボクはそういう目で人を見ているんだ。

この空間 「見えない糸」 で、つながっているやさしさもある。
糸だから、突然切れることもあれば、ほどよい張力でつながりを保たれていたり。
双方の調整力であろうが、お酒を間にはさみ、対面による 「真のフェイスブック」 だ。

ボクは、夜の仕事だから、目覚めは昼すぎになる。
時間の使い方は前後するが、お客さんとつながりのある行動をしているときもある。
とは言っても、大したことじゃない。

カンタンな引越しの手伝いや、困っていることに手を貸したり、イベントの集客に参加したり。
だけど、複雑な問題には首を突っ込まないなど、一線を画する部分は持ってしかるべきところ。

早い話、良質なコミュニケーションだから、苦にもならないし、たがいを知るいい機会にもなる。
だからと言って、恩義せがましいことは求めないし、商売をかけひきにすることは好きじゃない。
あくまでも気持ちの部分でしかないから、肩のこらない 「50・50」 無償の人間関係である。

だが、妻に言わせると 「あなたは、お人よしすぎる一面があるから、だまされそうで心配」 だとか。
いやいや、半世紀、コレで生きてきたし、仁義は欠かしたつもりはないから、生きやすいんだけどね。
そう言いながら、妻は後方で見守っている、メンタリストってところかな。

バーテンの私生活、街の仲間を大切にする、ある種 「サービス業」 みたいなもの。
バーは、生身のフェイスブックでもあるから、なりすましやごまかしはきかないんだ。

エセの 「Q・S・C・A」 で 「感動ごっこ」 を、するようなところでもない。
隠れ家ながら、澄み切った空気の中で、ささえあっているような不思議な空間である。

このあたり、大手の家電量販店と、町の小さな電気屋さんを比べれば、理解されやすいかな…
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする