2015年03月19日

会員物語

14日のブログで 「習いごとに興味がある」 ことを記した。
そんな胸中、スポーツクラブへ通っていたころの 「番外編」 を追記する。

昼下りに毎日通ってれば、それなりに知る顔となるが、黙々とトレーニングに励む場所なので、会員とはカンタンな挨拶かせいぜい会釈を交わす程度で、普通に通うぶんには親しくなるまではない。

トレーニングと称して、ナンパ目的で通っていたとしたら、そんな魂胆はすぐに見抜かれてしまうものだ。
だから、全員トレーニングが終われば、シャワーを浴びて帰宅するだけのものと最初はそう思っていた。

ある日、女性トレーナーから、クラブ会員の忘年会に誘われた。
他の会員とも交流をはかれるし、久しく飲んでなかったこともあり、喜んで出席を即答した。
しかし、会員と顔見知りながら、上手く座持ちできるか不安はあったが、トレーナーが 「Eさん、人見知りしないから、安心なんですよ」 と、かわいい笑顔で言われれば、そりゃ懐も深くはなる。

その不安たるもの、だれでもスムースに入れる話ならいいが、身内で固まられると少々つらいもの。
そうなると新参者からすれば、会話が途切れると見捨てられるこわさもあるから、長居はきつくなる。
だけど、こういうときほど正直でありたいと思うのが、ボクを知る人が言う、人懐っこい性格らしい。

当日、お座敷で15人ほど集合した。
男女比は 7/3 ぐらいで、女性の奪い合いとなりそうな雰囲気がただよっている。
別に女性を目的に参加してないので、その微妙な空気も席順にも全くこだわりもない。
あるのは早く乾杯して、おたがいにほろ酔いで未知の会話に突入したい思いだけである。

しかし、ささやかな期待がなかったわけでもなかった。
会話をしたことはなかったけど 「あの人」 が参加してないことに、やや気持ちが下がった。
あの人とは、たまに見かけていた、女優 「竹下景子」 のような、おっとりめな女性のこと。
昼しか見えなかったから主婦のようだが、いつもひとりだけど、強靭さを秘めているような女性。
とびきりの美人とか、年齢のわりにはかわいい女でもなく、人ごみで見失うような顔立ちをしていながら、
ひとりの時間を大切にできるタイプとは、一度じっくりしゃべってみたくなるもの。
たとえて 「やさしげだけど、実は武道をたしなむらしい」 …そんな謎めいた女性が魅力的だったりね。

酒も一巡して、会話もひとしきり盛り上がってきたころ。
角の席で女性がひとりだけ、会話のタイミングを持て余しているように見えた。
杯を注ぐために、畳にひざを引きずったまま近寄り、自己紹介を兼ねて、隣の席へ移動した。
すると 「私、飲めませんので」 と、グラスの口もとを手のひらでふさがれたので 「じゃあ、ウーロン茶持ってきましょうか」 と言うと 「もう、帰りますので」 と好意をさえぎられた。

ボクに下心があるわけでも、既婚を隠すつもりもなく、あくまで一般的な社交でしかないのだが、どうやら女性にとっては 「自分が理想としていた美しきパーティー」 では、なかったらしいんだ。
それまで、隣の席で一緒にスポーツ談議をしていた某有名メーカーの営業マンが近寄ってきて、小声で一言  「あの人、婚活のつもりで参加しているんですよ…」 と、耳打ちをしてくれた。
ボクは思わず 「ということは… 今オレ、パスされたわけ」 (勝手にフラれた) と、座布団からコケて、畳の上で笑い転げるしかなかったね。

そうか、そうだったのか!
スポーツクラブの飲み会は、本気で体を鍛え上げる人など大しておらず、男女の出会いの場ということ。
昼夜、あしげに出入りするクラブの中には、恋の野望をモリモリと忍ばせていた会員もいたのだ。
そんなたてまえを知らずに参加していたオレは…    なんじゃらほい?

三ヵ月後…  そのスポーツクラブは閉店した。
posted by GIG at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする