2015年01月06日

生涯の友人

間延びしていた正月気分も薄らいでいた日曜日。

夜の古町アーケードでは、琴の音色と信号機の音響が静かに入り雑じっていた。

同窓会の帰りであろうか…
還暦前後に見える男女7〜8人のグループが、「ニックネーム」 と 「ファーストネーム」を呼合いながらほろ酔い気分でゆっくりと歩いていた。

会合は交通機関の利便性もあり、新潟駅前周辺で行なわれることが多いと思えるが、古町あたりだと、  「中学時代の先輩か後輩かな…」 と、思わず顔を横目で見てしまうのが下町育ち。

僕はサラリーマン時代から、つきあいが続いている友人はほとんどいない。
惚れたフリをしながらつきあうぐらいなら、きれいさっぱりつきあいをしないほうがいさぎいいでしょ。
つきあいは程度問題だが、それは男惚れであったり、人の情や粋に乗じてつきあっているところがある。

でも、本当の友人って、こんな連中のことを言うんじゃないかなあ…

高校3年生の冬休みに、イトーヨーカドーの鮮魚コーナーでアルバイトをしていた。
当時、履歴書に 「柔道部」 と書くと、マクドナルドは不採用になるが、鮮魚コーナーだとほぼ百発百中「君、いいねえー 今日から働かないか」 と言われるほど、大歓迎される不人気職種だった。

後にも先にも、アルバイトの面接で即刻不採用になったのは、旧マクドナルド三越店だけで、そのときの店長らしき面接官が、「おまえ、ウチじゃムリだよ…」って顔で、しぶしぶ感がありありなんだ。
髪型が悪いのか、太いズボンがいけないのかわからなかったが、3K職 (きつい きたない きけん)の 採用率だけは100%を誇っていた。
それに色気づいたころで、女の子と一緒に仲良くアルバイトできる職種を狙ってたのに、結果的には    男所帯の女気のないところばかりでさあ。

そんな複雑な思いで売場に立ち、「ペーパーハット」 と 「エプロン」 をさせられて、「ハイ イラッシャイ イラッシャイ かーちゃん お魚安いよ」 と、大きな声で新巻鮭を売っていた。
試食コーナーでは、じいさんやばあさんたちに、自らホットプレートで焼いた 「マッセル貝のバター焼き」を大盤振る舞いしすぎて、炊き出しコーナーと化してしまい、バイヤーから大目玉を食ったこともある。

それからというもの、バックヤードから売場に出ると、「試食という名の炊き出し」 に味をしめた年配らが「兄ちゃん、今日は試食ねんかね…」 とか言って、寄り集まってくるようになってね。 ( ̄Д ̄;)
集客には貢献したんだけど、「ガッツあふれる買物」 をしてくれなくて、ほとほと困ってしまった。
変に気前が良すぎて、あんまり売場に出してもらえなくなり、パック作業ばかりさせられた。 (笑)

たまに売場の隅から、不自然な動きをする人影が見え隠れしていた。
その方向に目を向けると、複数の友だちが僕の売り子姿を指差しながら、笑って冷やかすわけだ。
最初は、「見せモンじゃねえ」 と、テレるんだけど、内心では来てくれたことがうれしいんだ。

家族に 「塩鮭3切れ買うてくわい」 とか、職場ルールの中で 「Eちゃんのタイムサービス」とか言い   少ない小遣いの中から、何かひとつ買って帰る、友人とのひとときが楽しかったことを覚えている。
何でも安ければ一番ではなく、社会から見た友人、友人から見た社会を教えてもらったというかさ。

今でも、小中高時代の知人が店の噂を聞きつけて、挨拶代わりに顔を見せにきてくれることがある。
つまり、利害関係がないし、純真に離れて再会した関係だから、会ったら会ったで昔の仲間に戻れる。
それに、お店が縁で知り合ったお客さんとも、今になってはビジネスライクなつながりだけじゃない。

生涯の友人って、単純にみずみずしい出会いからはじまっていて、晩年に成熟するような気がするね。
posted by GIG at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Bar & Human | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする